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金メダル以上に心を震わせた。なぜ私は三度泣いたのか——りくりゅう最高の一枚【冬季五輪】

THE DIGEST編集部

2026.02.24

感動の一枚。最高に心が震えた瞬間でもある。(C)Getty Images

 ミラノ・コルティナ五輪で個人的に最も感動したのは、フィギュアスケート個人のペアフリー、"りくりゅう"こと木原龍一/三浦璃来組の演技だ。

 今なおリピートを繰り返し、木原選手に持ち上げられた三浦選手がガッツポーズするところでまず涙。演技後、三浦選手が木原選手を包み込むように抱きしめる姿にまた涙。さらに、キス・アンド・クライで世界歴代最高得点(158.13)が出た時の三浦選手の驚きの表情、木原選手の渾身の叫びとガッツポーズを見て、三度涙。号泣である。

 ここまで今年一番の感動をくれた"りくりゅう"。もちろん、他のメダリストの競技や演技も素晴らしかったが、2人のショートプログラム失敗からの逆転劇が痛快すぎて、自分の心は支配されてしまった。こんなストーリー、なかなか描けないぞ、と。

 なかでも心に刻まれているのは、演技後に三浦選手がまるで母が子を抱くように木原選手を抱擁するシーン。ショートプログラムでリフトを失敗した木原を「私が支える」と誓い、それを体現したメンタルは称賛に値した。
 
 あの抱擁は、単なる喜びの共有ではなかった。失敗を背負い、責任を分かち合い、それでも「一緒に立つ」と誓った者同士だけが見せられる姿だった。

金メダルでも銀メダルでもない。あの瞬間こそが、今回の冬季五輪で私の心を最も強く震わせた光景だ。だから今も、何度でも再生してしまう。そしてそのたびに、また泣いてしまうのである。

 支える覚悟を示した一枚。あの抱擁は、きっと数字よりも長く記憶に残る。世界歴代最高得点は、いつか更新されるだろう。だが、あの瞬間の抱擁は色褪せない。

文●白鳥和洋(THE DIGEST編集部)

【画像】りくりゅう2人の最新投稿!

 
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