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競馬

不思議なムード漂ったマイル頂上決戦 武豊騎手の匠の技+シックスペンス陣営の“失敗を恐れない探求心“が戴冠手繰り寄せる【安田記念】

三好達彦

2026.06.09

安田記念を制した8番人気のシックスペンス。騎乗した武豊騎手は歴代最多となる4勝目を挙げた。写真:産経新聞社

安田記念を制した8番人気のシックスペンス。騎乗した武豊騎手は歴代最多となる4勝目を挙げた。写真:産経新聞社

 上半期のマイル王を決める安田記念(GⅠ、東京・芝1600m)が6月7日に行なわれ、先行策をとった単勝8番人気のシックスペンス(牡5歳/美浦・田中博康厩舎)が激戦を制して優勝。シックスペンスはGⅠ初制覇、田中博康調教師は本レース初制覇となり、手綱をとった武豊騎手は歴代最多となる4勝目を挙げた。走破時計は1分32秒1だった。

 クビ差の2着同着には1番人気のガイアフォース(牡7歳/栗東・杉山晴紀厩舎)と、7番人気のワールズエンド(牡5歳/栗東・池添学厩舎)が入賞。一方、2番人気に推されたトロヴァトーレ(牡5歳/美浦・鹿戸雄一厩舎)は伸びを欠いて9着に大敗し、3番人気のレーベンスティール(牡6歳/美浦・田中博康厩舎)も直線でいっぱいになり、7着に終わった。
 
 レースはそこそこ流れ、1分32秒台という標準的な走破時計を記録していながら、どこか座りの悪い、不思議なムードの漂うマイルの頂上決戦だった。

 ゲートが開くと、奪取の鋭いワールズエンドがハナを奪い、鞍上がやや仕掛け気味にシックスペンスが2番手の好位置を確保。その後ワールズエンドが飛ばしたので、それから数馬身離れたシックスペンスは実質的に2番手集団を引き連れて逃げているような格好になった。

 3番手から6番人気のセイウンハーデス(牡7歳/栗東・橋口慎介厩舎)を追走し、以下、4番手にレーベンスティール、4番人気のパンジャタワー(牡4歳/栗東・橋口慎介厩舎)、5番人気のステレンボッシュ(牝5歳/美浦・宮田敬介厩舎)らが並び、ガイアフォースは8~9番手の外目をキープ。そして注目のトロヴァトーレは後方の15番手を進んだ。

 1000mの通過ラップは57秒9と、GⅠであれば平均的と言えるペース。逃げているワールズエンドにとってはややキツいだろうが、離れた2番手に付けたシックスペンス以下の先団、中団には理想的なペースとなったはずだ。そして注目すべきは、600m-800mで11秒6、800m-1000mで11秒8と、直線を迎える前にややラップが緩んで、逃げ・先行勢に息が入っていたこと。これが最後の粘りにつながっていく。

 そして迎えた直線。まだ手綱を押さえたままワールズエンドが先頭、シックスペンスが2番手の構図は崩れず、中団から後方にポジションをとっていた有力馬は外へと進路を取りつつラストスパートにかかる。直線も半ばを過ぎて坂上へ来るとワールズエンドがやや苦しくなり、シックスペンスが先頭を窺う態勢となり、外からはガイアフォース、パンジャタワーが伸びてくる。ゴール100m前、優勝争いはワールズエンド、シックスペンス、ガイアフォースに絞られ、この3頭の激しい追い比べの末、わずかにクビ差でシックスペンスが栄冠を掴んでいた。大激戦になった2着争いは、長い写真判定の末、ワールズエンドとガイアフォースは同着となった。
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