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格闘技・プロレス

「隣の芝生は青く見える」苦悩を告白…稲葉ともかが悲願の初戴冠 JTOを背負い続けた7年の本音「これまで悔しかった」

橋本宗洋

2026.07.25

稲葉ともかが初戴冠。JTO GIRL王座を団体に取り戻した。写真:橋本宗洋

稲葉ともかが初戴冠。JTO GIRL王座を団体に取り戻した。写真:橋本宗洋

 強気な姿でファンや団体を引っ張っていくばかりがプロレスラーではない。時に悩み、迷う姿をさらけ出すことも魅力につながる。

 7月10日に開催されたJTO後楽園ホール大会。メインでは稲葉ともかがMIRAIを下し、JTO GIRLS王座を初戴冠するとともに団体に取り戻した。
 
 稲葉とMIRAIはJTOの前身となる団体で練習生時代をともにした。稲葉はJTOでデビューし、女子部門のエース格に。MIRAIは東京女子プロレスからスターダム、マリーゴールドと移籍しながら実績をあげていった。現在は出身地の岩手県を拠点とするみちのくプロレスに所属。

 前回の対戦ではMIRAIが勝利し、稲葉としては当然、リベンジを狙いたいところだった。ただそこまでの道のりは平坦ではなかった。

 稲葉は妹の稲葉あずさとともに姉妹レスラーとして知られている。家族の中では長女で、団体の中では1期生。人一倍責任感が強く、それだけに重圧もあった。現スターダムの舞華など他団体に移籍していく選手も多かったが、稲葉は団体にとどまり、支えてきた。

 自身もスターダムにレギュラー参戦しているが、なかなかホームリングに還元できない状況。観客動員は常に悩みの種だった。その一方、活動の場を広げたMIRAIはJTO代表のTAKAみちのくとも対戦。必殺技みちのくドライバーⅡで敗れたが、TAKAがこの技を女子に使うのは初めてだったという。それ以前、舞華にはみちのくドライバーⅡを伝授している。

 ずっと団体を支えてきた稲葉だが、代表からそうした“勲章”をもらったことはない。ならば自分で奪ってやろうと思った。女子選手相手の初黒星だ。

 もちろん簡単なことではない。体格差もある上に、TAKAは厳しい姿勢で試合に臨んだ。今年2度のシングルマッチは連敗。それでも「これが最後」と臨んだ3度目の対戦で、時間切れ引き分けに持ち込む。TAKA曰く「女子に勝てなかったのは初めて」。

 JTO GIRLS王者となり、防衛を重ねるMIRAIの前に立ちながら無言で踵を返したこともある。自分が納得のいく形でなければ、MIRAIへの挑戦はできない。それが稲葉らしい生真面目さであり責任感だった。そして、引き分けとはいえTAKAと“初めて”の結果を残したことで、前に進む気持ちが固まった。
 
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