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ラグビー

“何番でも映える男”コストリー――ワールドラグビーの潮流を体現する“万能戦士”が、日本代表の新たな武器に

向風見也

2026.09.22

PNC決勝のフィジー戦で勝利に貢献したコストリー。オールラウンダーとしての能力が光った。(C) Getty Imaegs

PNC決勝のフィジー戦で勝利に貢献したコストリー。オールラウンダーとしての能力が光った。(C) Getty Imaegs

 野球でいう、投打の二刀流に近い。

 ラグビー日本代表のティエナン・コストリーは、業界で流行りつつあるハイブリッドのひとりだ。身体をぶつけ合うフォワードの第3列を本職としながら、球を動かしてチャンスを作るバックスのうち、おもにウイングを補う。特性の異なるふたつのポジション群をカバーするのだ。
 
 身長192センチ、体重102キロとサイズに恵まれながら、足が速く、手先が器用で、身のこなしが軽やかなうえ、献身的でかつ衝突が激しい。確かに背番号が何番でも映えそうだ。

 その万能性は昨年から見出された。首脳陣には、過去の国際的なハイブリッド戦士の動画とともにチャレンジを勧められた。

「大変ですけど、誰もができるわけではない。『あなたは両方できる』と思われているのは、嬉しいです」

 26年9月までにあった8度の代表戦は全て出場。スターティングメンバー入りは1回のみも、リザーブとして登録された7度の実戦で適宜、求めに応じてきた。

 所属のコベルコ神戸スティーラーズでベストフィフティーンを獲得したフォワード第3列で計5試合をこなし(スターターも含む)、ウイングでも2度投じられた。さらに7月11日のアイルランド代表戦では、センターも託された。センターはバックスのかすがいのような役どころで、難易度は高い。

 エディー・ジョーンズヘッドコーチのこの構想に、ぴたりとはまりつつある。

「バックスなのにバックロー(フォワード第3列)みたいにラック(接点)周りで激しいプレーができるとか、バックローでセンターやウイングがカバーできる…。そうした選手が活躍する方向に、ラグビーという競技が向かっていると思います。(4年に1度の)ワールドカップに向け、1名はそういう選手を育成したいという構想があります」

 さらに新規の職場に出会ったのは9月12日夜。東京・秩父宮ラグビー場で、世界ランクで3つ上回る9位フィジー代表に挑んでいた。

 後半26分にウイングとしてフィールドに入り、向こうの蹴った高いキックを処理し、こぼれ球を拾った相手にタックルしたところでアクシデントに出くわす。

 ボールの落下地点の周りで、バックスの故障者が出たのだ。
 
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