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モータースポーツ

F1レジェンドが参戦したeレースでバトンが優勝「みんな、まだF1にいたらいいのに!」とファン大興奮!!

甘利隆

2020.04.18

オンラインゲームでもその素晴らしいドライビングテクニックを見せたバトン。(C)Getty Images

オンラインゲームでもその素晴らしいドライビングテクニックを見せたバトン。(C)Getty Images

 新型コロナウイルスの猛威を受け、世界中で様々なスポーツイベントが中止や延期を迫られるなか、モータースポーツ界は積極的にオンラインでのeレース大会を開催し、落ち込むファンを喜ばせている。つい先日も元F1チャンピオンたちが参加する注目のイベントが開催された。

『バーチャル・レジェンズ・トロフィー』と題されたこの大会に参加したF1レジェンドは、ブラジルに初めての栄冠をもたらした、'72年・'74年チャンピオンのエマーソン・フィッティパルディ、ホンダのマシンで戦っていた、'09年王者のジェンソン・バトン。そして、フェラーリの英雄、ジル・ヴィルヌーヴを父に持つ'97年チャンプのジャック・ヴィルヌーヴ。

 そして、これらF1チャンピオンたちを迎え撃つのは、主にアメリカを主戦場にしていたドライバーたち。『インディ500』と『モナコGP』を勝ち、'99年にはCARTタイトルも獲得しているファン・パブロ・モントーヤ、4回のインディカー王者に輝くダリオ・フランキッティ、『インディ500』優勝回数3回を誇るエリオ・カストロネベス、CARTシリーズの2年連続チャンピオンで『インディ500』優勝経験も持つジル・ド・フェラン、インディカー・シリーズの'04年チャンピオン、トニー・カナーンといった錚々たる顔ぶれだ。

 レースは仮想のセブリング・サーキットを舞台に'74年にフィッティパルディがタイトルを獲得したマクラーレンM23を使って、争われた。
注)CARTを頂点としていたアメリカのフォーミュラカー・シリーズは、一時期、主催団体の分離独立によって2つに分かれていたが、現在はインディカー・シリーズに統一されている。
 
 レースは、バトンがポールポジションからスタートし、クラッシュ続出の展開を現役時代さながらの巧みなレース運びでくぐり抜け、見事優勝。モントーヤは2位。3位の座は'05~'07年にWTCC(世界ツーリングカー選手権)を3連覇したアンディ・プリオールが勝ち取った。

 F1デビュー時に「初めて走るコースはゲームで覚えたよ!」と発言して周囲を驚かせたゲーム好きのヴィルヌーヴは、ただ1人、Xboxのコントローラーを駆使して奮戦するも6位に。ゲームにあまり親しみがないと思われる御年73歳のフィッティパルディは16位に終わった。

 バトンは獲得した優勝賞金10,000ドルを家庭内暴力に苦しむ人をサポートする慈善団体に寄付する予定で、「コーナーのたびにタイヤが壁にぶつかるような感じがして、実際のレースより緊張したよ(笑)」とレースを振り返っている。

 これを見たファンは「みんな、まだF1にいたらいいのに!」「マクラーレンM23とセブリングはグッドな組み合わせ!! でも5周のレースは短いよ!」「彼らは素晴らしい!! 慈善団体に寄付する権利を得る価値のある勝利!」と大興奮。嫉妬した(?)バイクレースのファンから「バイクでもレジェンドたちによるレースをやって欲しい!」との反応もあった。

 カナダのトロントに本部を置くTorque Esportsが主催する『The Race All-Star Series』は、オールスターカップとレジェンズ・トロフィーの2つからなるシリーズで、レースの模様はYouTubeチャンネルで世界中へと配信された。

文●甘利隆
著者プロフィール/東京造形大学デザイン科卒業。都内デザイン事務所、『サイクルサウンズ』編集部、広告代理店等を経てフリーランス。Twitter:ama_super

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