7月2日、愛知県豊橋市において行われた「第61期王位戦七番勝負」の第1局は、先手番の藤井聡太七段(17歳)が木村一基王位(47歳)を下し、シリーズ先勝を果たした。藤井七段は現在、「第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負」にも出場して2連勝しており、これにて"タイトル戦3連勝"を記録している。
藤井七段の攻めが見事つながった形だ。
王位戦第1局は角換わり腰掛銀で進行。37手目、藤井七段が6六歩と指した局面が現在の課題局面となっているが、木村王位は4四歩と突いて先後同型の珍しい形を採用した。ここから藤井七段が細かく攻めを見せていき、初日は7三歩成と桂を取ったところまで進行した。
2日目を迎え、封じ手をした木村王位が予想通り2九角成。ここから「藤井七段の攻めがつながるのか」「木村王位が受けきれるのか」というフェーズが続いていく。一手の緩手が、ミスが、そのまま"生死"に直結する難しい局面。果たして結果は、見事踏み込み切った藤井七段に軍配が上がった。
分水嶺となったのは61手目、藤井七段が指した5三銀。直前に木村王位が指した3九馬で自玉に近い金が狙われ、中継で表示されたAIの最善手は受けの手が勧められていた。しかし、ここで踏み込むのが「藤井将棋」だ。5三銀で後手玉に王手をかけると、ここから一気呵成の攻めを展開。
しかし、ここで"千駄ヶ谷の受け師"の異名を取る木村王位が守りの妙手を繰り出してピンチを凌ぐ。果たして藤井七段は1時間1分の熟慮にふけり、"軌道修正"。79手目に1五歩から端攻めを繰り出して木村玉を追い詰め、一筋の勝ち筋をたぐり寄せた藤井七段が95手で白星を収めたのだった。
前日の会見にて「初めての2日制ですが、集中力を切らさないようにしたい」と語っていた若き天才は、その言葉通り最後まで神経を研ぎ澄ましていた。
史上最年少(17歳10ヵ月20日)のタイトル挑戦者として2つの番勝負を戦っている藤井七段。早ければ7月9日、その名は史上最年少タイトルホルダー「藤井棋聖」となるかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部
藤井七段の攻めが見事つながった形だ。
王位戦第1局は角換わり腰掛銀で進行。37手目、藤井七段が6六歩と指した局面が現在の課題局面となっているが、木村王位は4四歩と突いて先後同型の珍しい形を採用した。ここから藤井七段が細かく攻めを見せていき、初日は7三歩成と桂を取ったところまで進行した。
2日目を迎え、封じ手をした木村王位が予想通り2九角成。ここから「藤井七段の攻めがつながるのか」「木村王位が受けきれるのか」というフェーズが続いていく。一手の緩手が、ミスが、そのまま"生死"に直結する難しい局面。果たして結果は、見事踏み込み切った藤井七段に軍配が上がった。
分水嶺となったのは61手目、藤井七段が指した5三銀。直前に木村王位が指した3九馬で自玉に近い金が狙われ、中継で表示されたAIの最善手は受けの手が勧められていた。しかし、ここで踏み込むのが「藤井将棋」だ。5三銀で後手玉に王手をかけると、ここから一気呵成の攻めを展開。
しかし、ここで"千駄ヶ谷の受け師"の異名を取る木村王位が守りの妙手を繰り出してピンチを凌ぐ。果たして藤井七段は1時間1分の熟慮にふけり、"軌道修正"。79手目に1五歩から端攻めを繰り出して木村玉を追い詰め、一筋の勝ち筋をたぐり寄せた藤井七段が95手で白星を収めたのだった。
前日の会見にて「初めての2日制ですが、集中力を切らさないようにしたい」と語っていた若き天才は、その言葉通り最後まで神経を研ぎ澄ましていた。
史上最年少(17歳10ヵ月20日)のタイトル挑戦者として2つの番勝負を戦っている藤井七段。早ければ7月9日、その名は史上最年少タイトルホルダー「藤井棋聖」となるかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部