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「心が折れそうだった…」柔道の美しき女王、ビロディドが長文で明かした“階級上げ”の真意と本音

THE DIGEST編集部

2020.10.28

はたしてビロディドは東京五輪にどちらの階級で臨むのか。(C)Getty Images

 柔道女子48キロ級の世界女王、ダリア・ビロディドが公式インスタグラムを更新。ファンに向けた長文のメッセージで現在の心境を明かした。

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 先週、ハンガリーのブダペストで開催されたのが柔道グランドスラム。およそ8か月ぶりに再開された国際大会で、柔道ファンを驚かせたのがビロディドの"階級上げ"だった。48キロ級で2度の世界選手権制覇を果たし、2月のグランドスラムでも圧倒的な強さで優勝を果たしていたが、今大会にはなんと52キロ級でエントリーしてきたのだ。

 結果は銅メダル。準々決勝でアンドレア・チトゥ(ルーマニア)に敗れて、敗者復活戦を勝ち上がっての3位入賞だった。初挑戦の階級にあって2本の一本勝ちを収めるなど奮闘。もともと172センチの長身で、48キロ級では過酷な減量を強いられていた事実もあり、階級アップは自然の流れと考えられる。だが、どうやらそんな単純な理由ではなかったようだ。

 ウクライナが誇る20歳の天才は、次のように想いを綴っている。

「8か月のブランクを経て、また競技に戻ることができました。こんな機会を与えてくれた神に感謝します。なぜなら、まだ他の国々の多くのアスリートは、満足のいく練習さえできておらず、国際大会に参加することすらできていないのですから。本当に酷い話だと思います。早くみんなが等しく、以前のように世界で広くプレーできるよう祈っています。

 私は今回初めて、異なる階級にチャレンジしました。理由は、いまこの状況下で体重を落とし、自分の身体を危険にさらすことが賢明だと考えなかったからです。長く公式大会から遠ざかっていたこともあり、コーチ陣も私も52キロ級で行こうと決めたのです。

 もちろん、結果(3位)には満足していません。金メダルこそが重要で、そのことしかいつも頭の中にはありませんから。でも私にとっては、とても意義ある経験にもなりました。異なった階級で異なった対戦相手と真剣勝負ができたからです。

 なによりも、ふたたび競技の機会をもらえて幸せでした。本当に寂しかった。柔道連盟の努力に感謝します。ずっと大会がないと、モチベーションが消滅しそうになり、心が折れそうにもなりました。でもまたいま、競技が再開されて新しい空気を吸いながら、モチベーションを高めていけそうです」

 勝ち続けてきたビロディドにしか分からない、心の葛藤があったのだろう。

 今回の階級上げはあくまで一時的なもので、おそらく来年に延期された東京五輪では48キロ級でエントリーしてくるか。次戦は11月19日にチェコ・プラハで開幕するヨーロッパ選手権。ここでどちらの階級を選ぶのかに、まずは注目が集まる。

構成●THE DIGEST編集部

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