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今年のジャパンカップは掛け値なしに”世紀の大一番”!三冠馬が過去に直接対決したケースは?

三好達彦

2020.11.27

アーモンドアイの引退レースとなる今回のジャパンカップは、あらゆる意味で注目だ。写真:産経新聞社

アーモンドアイの引退レースとなる今回のジャパンカップは、あらゆる意味で注目だ。写真:産経新聞社

 三冠制覇を成し遂げたデアリングタクト、コントレイルに続き、天皇賞(秋)を制してJRA史上初となる芝のGⅠ・8勝という偉大な記録を達成したアーモンドアイが、所属クラブのホームページを通じ、引退レースとしての参戦を表明したのが11月12日のこと。それ以来、今年のジャパンカップは”世紀の大一番””三冠馬3頭が激突”というあおりもあってか、競馬ファン以外までも巻き込んで、中央競馬としては久々に大きな盛り上がりを見せている。

 マスコミの過剰な惹句にはつとめて冷静に受け止めることにしているが、今回用いられている”世紀の大一番”というコピーにはまったく誇張がなく、筆者自身も胸の高鳴りを禁じられずにいる。

 では、どうして今年のジャパンカップが”世紀の大一番”と呼ばれるのか、そのベースを再確認しておきたい。

 中央競馬の長い歴史のなかで、牡の三冠馬は8頭誕生しているが、無敗で達成したのは84年のシンボリルドルフ、93年のディープインパクト、そして今年のコントレイルと、わずか3頭しかいない。
 
 かたや牝の三冠馬は6頭(無敗でこの偉業を達成したのはことしのデアリングタクトのみ)。そのうちの2頭がジャパンカップに参戦することが珍しければ、牡の三冠馬コントレイルまでが出走し、三冠を制した牡牝3頭が直接対決するのが、いかに奇跡的な確率でしか起こり得ない”超レアケース”であるかが分るだろう。

 ちなみに、三冠馬2頭が直接対決したケースは2例ある。

 一つめは、ミスターシービー対シンボリルドルフ。83年と84年の三冠牡馬同士が手合わせしたのは計3回あり、一度めのジャパンカップが10着と3着(優勝は10番人気のカツラギエース)、二度めの有馬記念が3着と①着、三度めとなった翌年の天皇賞(春)が5着と①着。いずれもシンボリルドルフに軍配が上がっている。

 二つ目のケースは、11年の牡馬三冠を制したオルフェーヴルと、12年の三冠牝馬ジェンティルドンナ。この2頭が直接顔を合わせたのは12年のジャパンカップの一回きりだったが、それはJRAのGⅠ史上に残る火の出るような激闘となった。最後の直線で抜け出した2頭が200メートルにもわたって何度も馬体をぶつけ合いながらの叩き合いを繰り広げ、結果、ジェンティルドンナがハナ差でオルフェーヴルを降した。ちなみにこのジェンティルドンナの優勝は3歳牝馬としてジャパンカップ史上初のことであり、翌年にはこれもレース史上初となる2連覇を達成している。

 この二組のケースを見る限り、三冠馬同士の場合、年下の馬が勝利を挙げているが、さてことしはどのようなゴールシーンが見られるだろうか。ともあれ、おそらく今後は見ることができないであろう”奇跡の大一番”を心待ちにしたい(明日は三冠馬3頭の戦力分析をお伝えします)。

文●三好達彦

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