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ゴルフ

原英莉花が見せた「パー5」でスコアを稼ぎ、最終ホールで崩れない綿密なコースマネジメント【リコーカップ】

山西英希

2020.11.28

風や距離とクラブを見事にマッチングさせ、初日から首位をキープし、最終日に臨む原。今季2勝目がかかる。(C)Getty Images

風や距離とクラブを見事にマッチングさせ、初日から首位をキープし、最終日に臨む原。今季2勝目がかかる。(C)Getty Images

 今年最後の国内女子ツアー『JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ』3日目、原英莉花は、3バーディ、2ボギーの71で回り、通算10アンダーにスコアを伸ばす。2位以下に1打差に詰め寄られたものの、初日から守り続けてきた単独首位の座は明け渡さなかった。

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 初日、2日目と快調にスコアを伸ばしてきた原だったが、風が強く吹いたこの日は思うようにスコアを伸ばせずに苦しむ。それでも9番パー5ではピンまで残り231ヤードから3番ウッドで、11番パー5では残り207ヤードから4番ユーティリティで2オンに成功。ともに2パットで確実にバーディを奪い、最終的にスコアを1つ伸ばした。

 今大会はアウトに2つ、インに1つのパー5があるが、初日はこの3ホールで4アンダー、2日目は3アンダー、そして3日目は2アンダーと3日間で9アンダーの荒稼ぎをしている。飛ばし屋の原なら当然だろうと思うかもしれないが、昨年のパー5での平均スコアは4・81(25位)と決してよくはなかった。それが今年は4・76(9位)と数字を縮めているのだ。バーディを奪うためにはどうしたらいいのか、綿密なコースマネジメントを考えるようになった成果が結果として表れているのだろう。
 
 しかし、それ以上に成長を感じさせるのが、最終18番パー4でのパーセーブだ。ピンまで残り158ヤードだったが、原は5番アイアンを手にする。「普段なら7番アイアンでも届く距離ですが、すごいアゲンストだったので2番手上げました」と理由を説明する。ただ、いくら風が強いとはいえ、5番アイアンでまともにフルショットしたならグリーンをオーバーしないまでもピンの上につく確率は高い。この日のピン位置だと下りのパットを残した場合、たとえ距離が短くても難しいラインが残る。当然、そのことは原の頭の中にあった。

 実は、このホールに限らず、アイアンショットでは1番手上げてコントロールショットを心がけていたのだ。フルショットをすると弾道が高くなり、風の影響を受ける分、ボールコントロールが難しくなる。そのことを計算した上でのクラブ選択だった。

 原の狙いどおり、18番の第2打はピン右15メートル地点で止まる。ファーストパットを2メートルに寄せると、フックラインを読み切ってパーセーブに成功しガッツポーズを見せた。「明日につなげるためにもセカンドショットを打つ前から絶対にパーを取りたいと思っていました。パーパットは難しいラインでしたが、自信を持って打ち切れたので明日につながる1打になったと思います」と会心のパッティングだった。
 

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