ゴルフ

渋野日向子を下した“韓国の刺客”キム・アリムとは何者か。本人が明かした全米女子OP逆転Vの“決め手”

THE DIGEST編集部

2020.12.16

大逆転優勝を飾ったキム・アリム。今季の韓国ツアーは優勝なし、賞金ランク21位に終わっていた。(C)Getty Images

 まさに破竹の快進撃で頂点へと上り詰めた。

 現地月曜日にテキサス州ヒューストンで開催された全米女子オープン最終日、韓国版のシンデレラストーリーを完遂させたのが、首位と5打差の9位タイでスタートしたキム・アリムだ。セカンドショットとパットが冴え渡り、6バーディ・2ボギーの「67」はその日のベストスコア。最終組を回った渋野日向子、エイミー・オルソン(アメリカ)、モリヤ・ジュダニガーン(タイ)らをごぼう抜きし、通算3アンダーで見事初優勝を飾った。

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 彗星のごとく現れた25歳を特集したのが韓国の全国スポーツ紙『スポーツソウル』。「キム・アリムは招待選手として全米女子オープンに初出場し、優勝に輝く感激を味わった」と記し、次のように続けた。

「世界ランキング1位のコ・ジンヨンと同じ1995年生まれのキム・アリムは、2013年に韓国女子プロゴルフ協会(KLPGA)に入会してプロデビュー。ドリームツアー(実質2部)でプレーを続けた後、2016年から1部に参戦した。これまでの優勝歴は、2018年9月の『パク・セリ・インビテーショナル』と2019年7月の『MYムンヨン・クイーンズパークチャンピオンシップ』の2回のみ。2020シーズンは一度も優勝できず、賞金ランキング21位(1億8758万ウォン=約1875万8000円)に終わっていた」

 そんな韓国国内ツアーの中堅ゴルファーが、初の米メジャーで堂々たるパフォ―マンスを披露するのだから、やはり韓国ゴルフ界は層が厚い。最後の3ホールで3つのバーディを奪ったことについて、「第1~3ラウンドのときよりも16~18番ホールの全長が短くセットされていたので、バーディを獲るために攻撃的にプレーした。でもそれが優勝につながるとは思わなかった」と回顧。さらに「このような大きな大会で優勝して途方に暮れている。頭の中は真っ白」と正直な想いを吐露し、「チャンスがあるとは思っていたが、初出場の大会で優勝できるとは思わなかった」と笑顔で話した。

「早めにアメリカに到着して、しっかり準備できたことが優勝に大きく役立った」と勝因を明かしたキム・アリム。終始アグレッシブな姿勢を貫いて、ビッグサクセスを手中に収めた。韓国勢で11番目となる、全米女子オープンの女王に輝いたのである。

構成●THE DIGEST編集部