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「あの日のことはすぐに思い出せる」震災から10年、羽生結弦が被災地へメッセージ。「頑張ってください」に思い込める

THE DIGEST編集部

2021.03.11

12月の全日本選手権では5年ぶり5度目の頂点に立った羽生。写真:長田洋平/アフロスポーツ

12月の全日本選手権では5年ぶり5度目の頂点に立った羽生。写真:長田洋平/アフロスポーツ

 東日本大震災の発生から10年を迎えた3月11日、男子フィギュアスケートの羽生結弦が公益財団法人日本スケート連盟を通じてコメントを発表。1182字に及ぶ長文メッセージで被災地への思いを伝えている。

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 当時、地元アイスリンクでの練習中に被災し、避難所生活を送った羽生。今回のコメントでは「何を言えばいいのか、伝えればいいのか、分かりません」と書き出すと、「あの日のことはすぐに思い出せます。この前の地震でも、思い出しました。10年も経ってしまったのかという思いと、確かに経ったなという実感があります」と3.11からの道のりを振り返っている。

 競技に戻った後も被災者たちと積極的に交流を図っていた羽生は、「皆さんの力にもなりたいですけれど、あの日から始まった悲しみの日々は、一生消えることはなく、どんな言葉を出していいのかわからなくなります」と正直な気持ちを吐露。
 
 ただ、最近は「あの日がなかったらとは思わないようになりました」などと心境の変化があったという。「それだけ、今までいろんなことを経験して、積み上げてこれたと思っています」と続けた羽生は、被災者へ向けても「簡単には言えない言葉だとわかっています。言われなくても頑張らなきゃいけないこともわかっています。でも、やっぱり言わせてください。僕は、この言葉に一番支えられてきた人間だと思うので、その言葉が持つ意味を、力を一番知っている人間だと思うので」と前置きしたうえで、「頑張ってください」とエールを送った。

 今月24日からはスウェーデンのストックホルムで開催される『世界フィギュアスケート選手権』に参戦予定。被災地への思いを胸に秘め、北京冬季五輪の出場枠を争う舞台でどのような演技を見せてくれるのか。日本が誇る至宝のパフォーマンスに注目だ。

構成●THE DIGEST編集部
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