バレーボール女子日本代表の若き司令塔が、開催中の国際大会で一躍脚光を浴びている。

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　イタリアのリミニで開催中のバレーボール国際大会、『ネーションズリーグ』は予選ラウンド第６戦を終え、日本代表は現在ブラジルと並ぶ５勝１敗の好成績で決勝ラウンド進出圏内（４位）につけている。

　その中でも、同大会を主催するバレーボール連盟（FIVB）が注目したのは、開幕から強い存在感を放つ弱冠20歳のセッター。世界ランキング上位16チームとしのぎを削る戦いの場で代表公式戦デビューを果たし、快進撃の原動力となっている籾井あき（JT）だ。

　同連盟の公式専門メディア『VOLLEYBALL WORLD』は、「モミイの勝利へのこだわり」と見出しを打って特集記事を掲載した。

「やっぱり１番を狙っている」

　籾井が第４戦でブラジルに完敗した直後に放ったこのひと言から始まる記事は、まずJTマーヴェラスのVリーグ連覇に主力として貢献した、日本国内での直近の活躍を紹介。

　日本の若き司令塔は、機知機略に長けた巧妙なトスワークでチームメートが持つスピード、パワー、技術のすべてを引き出し、日本代表の攻撃力にシナジー効果をもたらす存在で、大会公式もそのポテンシャルを「タイ、中国と韓国との対戦で３連勝を収めた第１週目に証明済み」と高く評価している。

　さらに、ここまで５勝をマークしている日本については「モミイが成功の鍵になっている」と指摘。「高いレベルの試合に連続して出場するのは若い選手には簡単なことではない」としたうえで、「勝利へのこだわりを持っているモミイは、チームにとって大きな財産だ」と絶賛した。
  　また、先発出場したこれまですべての５試合で、若手選手としては異例と言える安定したハイレベルなパフォーマンスを維持していることに言及。６月２日付けのセッター・パフォーマンス評価では３位にランクインするなど、数字でもインパクトを残している。

　なによりも、関心が向けられたのが、その勝利に対する並外れた思いだ。

　大会２連覇中のブラジルに３-０で敗れた後、若い選手だけに敗戦で落ち込んでもおかしくない状況のなか、「強い気持ちで、もっと勝利に執着して試合に臨む必要がある」と、自身とチームを一喝した籾井。完敗により連勝がストップしたことにも動じないルーキーらしからぬメンタルと冷静かつ前向きな態度から、大物の片鱗が垣間見えたようだ。

　第２週目の初黒星の後、イタリアとロシアにしっかりと勝利してらしさを取り戻した日本。３日間の休養の後にオランダ、カナダ、ポーランドとの対戦が待ち受ける。さらに厳しさが増す大会中盤以降、籾井がどんな活躍を見せてくれるのか楽しみだ。

構成●THE DIGEST編集部