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バレーボール

“つり目ポーズ”で物議を醸したセルビア選手が2試合出場停止に。同国バレー連盟は約244万円の罰金処分

THE DIGEST編集部

2021.06.11

波紋を広げたタイ戦での“つり目ポーズ”。問題となっていた選手への処分が発表された。(C)Getty Images

波紋を広げたタイ戦での“つり目ポーズ”。問題となっていた選手への処分が発表された。(C)Getty Images

 国際バレーボール連盟(FIVB)は現地時間6月8日(日本時間9日)、イタリア・リミニで開催中の『ネイションズリーグ』でセルビア女子代表の選手が行なった人種差別的な行為を、規律違反に相当すると認定して処分を発表した。

【動画】波紋を呼んだセルビア選手の“つり目ジェスチャー”の映像

 問題となっていたのは、1日に行なわれた女子予選ラウンドの第5戦で、セルビア女子代表のリベロ、サニャ・ジュルジェヴィッチが試合中に見せたジェスチャーだ。タイ代表プルームジット・ティンカオのファウルによりセルビアが追加点を挙げた直後、同選手はコート上でチームメートに向け、両方の目尻を指で引き上げる仕草を行なっていた。

“スラントアイ・ポーズ(つり目ポーズ)”と呼ばれるこのジェスチャーは、世界的に認知されるアジア人を揶揄、軽視する差別的なポーズであることからインターネット上で非難が殺到。選手本人はタイ代表のロッカールームを訪れて謝罪し、自身のInstagramで、「差別のつもりはなかった。タイ代表のように良い守備をしようと意図しただけ」と弁明していた。
 

 しかし、事態を重く見て調査を開始したFIVBはその後、公式HP上でジュルジェヴィッチの行為を人種差別的なものと認め、同選手に規律違反による2試合出場停止の懲戒処分を発表(すでに終了した同8日のベルギー戦と、同12日の予選第4週のカナダ戦が対象)。同時に、セルビアバレーボール連盟に対しても2万スイス・フラン(約244万円)の罰金を科したことを明らかにした。

 この処分にSNS上では、「(懲戒は)正しい判断」「文化の違いを知らなかった」「反省して復帰してください」など前向きなコメントが見られる一方で、「ペナルティが軽すぎる」「あのポーズを気楽に考えていることが問題」「(セルビア代表は)今回が初めてじゃないのに」などの痛烈な指摘も多数寄せられている。

 過去にも、同代表は2018年世界選手権へ出場を決めた際に、本戦開催国であった日本行きを示唆して全員が“つり目ポーズ”をしたチーム写真を撮影。同じ行為で問題視されていたことが厳しい意見に繋がっているようだ。

 なお、FIVBはこの罰金の使途として、差別問題への取り組みや異文化への理解や配慮を学ぶ“カルチュラル・センシティビティ”教育プログラムへ寄付すると発表した。

 東京五輪へ出場が決定しているセルビア代表は、予選ラウンドプールAで同組となった日本代表と日本時間7月27日に対戦が予定されている。

構成●THE DIGEST編集部

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