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セカンドドライバーとしての角田裕毅を蘭レース関係者が査定「バックアップができない場合は…」

THE DIGEST編集部

2021.07.01

これまで通算9ポイントを獲得した角田。ただ、度重なるクラッシュについては、トスト代表が厳しい反応を示しているという。(C)Getty Images

これまで通算9ポイントを獲得した角田。ただ、度重なるクラッシュについては、トスト代表が厳しい反応を示しているという。(C)Getty Images

 今季、F1デビューを飾り、ここまで8戦を終えたスクーデリア・アルファタウリの角田裕毅。開幕戦バーレーンGPでいきなり入賞を果たした一方で、幾つかミスを犯して決勝に悪影響を及ぼしたりと、ルーキーは良いこと悪いこと、様々な経験を積んでいる。

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 ここまで、3レースで入賞圏内フィニッシュを飾り、通算9ポイントを獲得。20人中14番目となるこのルーキーの成績について、どのように評価すべきかは意見が分かれるところだが、かつての著名なドライバーで、チームマネジャーとしても実績を残しているオランダのフランス・ヴェルスクールは、同国メディア『GRAND PRIX RADIO』のポッドキャストで、チームを率いる立場からの見方を示した。

 シーズン前から期待を寄せられていた角田について、蘭レース界の重鎮は「F2で偉大なことを成し遂げた」と称賛するとともに、「彼はF1のプレッシャーに慣れることが必要だ。(レッドブル・グループの顧問)ヘルムート・マルコはいつも目を光らせている」とアドバイス。そして、チームマネジャーとしての見地から、以下のように現在の日本人ドライバーを評した。

「彼は今、アルファタウリとホンダとのコラボレーションの中で、正しい位置にいるが、現状の成績だと、来季ホンダが撤退すれば、違うドライバーに取って代わられる可能性はある。過去2年間、このグループでF1に参戦し、今季はレッドブルのリザーブドライバーを務めているアレクサンダー・アルボンのようにだ。ただ、角田にはF3、F2の実績がある分、アルボンよりは信用があるだろう」

「実際、チーム首脳陣はレッドブルのジュニアチームに目を向け、F2で好パフォーマンスを披露しているドライバーたちをチェックしている。もし、角田の成績が向上しなければ、新しいドライバーがやって来ることになる。ピエール・ガスリーは極めて優れており、彼を手放すという選択肢はないはずだ」
 
 ルーキーに対する展望としては非常に厳しいものだが、レッドブルの姉妹チームという立場から抜け出し、コンストラクターズランキングで5位以上という目標を設定しているアルファタウリの中では、ルーキーといえども常にポイント獲得が義務付けられることとなる。実際、チームプリンシパルのフランツ・トストも、序盤はクラッシュを容認していたが、最近ではミスに対しては厳しい反応を示しているという。

 ヴェルスクールは、「チームのボスとしては、常にチーム全体の結果を重視するがゆえに、シーズンが大事な時期に入る時、ファーストドライバーのバックアップができないセカンドドライバーはすぐに交代させる必要がある。それは、とても冷酷なことだが」と語り、同様の理由から「現在のメルセデスは強力なセカンドドライバーを必要としており、ルイス・ハミルトンとヴァルテリ・ボッタスのラインアップが来季も継続することはあり得ない」という。

 ルーキーとしてレースごとに経験を積んでいる一方で、ポテンシャルの高い車で常に結果も求められる角田。先日は、チームとしてのライバルがフェラーリであることを明言し、ポイント獲得でのチーム貢献に強い執着を示した。また、シュタイアーマルクGPでは無謀な仕掛けは抑えながらも、常に攻撃的姿勢を維持して、終始落ち着きを感じさせ、今後に期待を持たせている。今後、速さへのこだわりは捨てることなく、毎レース、確実にポイントをチームに持ち帰る彼の姿が見られるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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