とんでもないハイパフォーマンスを披露した。悪質いじめ問題や数々のスキャンダルで韓国世論を敵に回した元韓国女子バレーボール代表、イ・ダヨンである。
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　10月16日、韓国から逃げるようにギリシャへ飛び立った。双子の姉であるイ・ジェヨンとともに強豪PAOKテッサロニキへの入団を決め、年俸はそれぞれ韓国Ｖリーグ時代の10分の１程度にまで下落。韓国国内の猛烈なバッシングを受け止めながらも、まだ25歳、なりふりかまわずキャリアの続行を決断したのだ。

　現地時間の翌17日朝にテッサロニキに到着すると、クラブ関係者やスタッフから熱烈な歓迎を受けた。クラブ公式のSNSではふたりの最新インタビューや旧市街を散策する様子などが伝えられ、現地ファンからも特大の反響を呼んだ。最後まで公の場での“謝罪”がなかったと憤慨する韓国メディアとは対照的に、ギリシャ国内は歓迎ムード一色に染まったのである。

　そして迎えた水曜日、妹ダヨンはなんと、ギリシャ入りしてからわずか４日目で公式戦デビューを飾った。しかも相手はリーグ８連覇中の絶対女王オリンピアコス。姉ジェヨンは出場を回避したが、セッターであるダヨンがそんなに早く仲間の信頼を得て、はたしてチームをどこまで機能させられるのか。現地メディアからもさすがに懐疑的な意見が大勢を占めていたが、すべてが杞憂に終わった。

　地元の大声援を受けたPAOKはオリンピアコスを圧倒し、25-16 、25-20、25-21の３－０ストレート勝ちを収めたのである。勝利の立役者はほかでもない、チームを自在に操ったダヨンだった。

　ギリシャの全国スポーツ紙『FOS』は「異次元のセッター、イ・ダヨンがいきなり輝きを放った！」と絶賛。「およそ８か月のブランクをものともしない大活躍だ。ダヨンの存在によってPAOKはまるで違うチームに生まれ変わった。彼女はスピーディでモダンなバレーボールを実践したのである。あのオリンピアコスをいっさい寄せ付けない完勝だ」と続けた。
  　試合後のインタビューではダヨンも興奮を隠し切れず、「本当に、本当に勝てて嬉しい！　私自身は力を出し切りましたし、チームメイトも攻守両面で素晴らしい出来でした」とコメント。『FOS』紙は「ダヨンはプレーだけでなく、仲間を叱咤激励してチームを常に盛り立てていた。根っからのリーダーであり、真のプロフェッショナルだ」と手放しで称賛している。

　これ以上ない衝撃デビューを飾ったダヨン。やはりバレーボール選手としての才能に疑いの余地はない。

　韓国メディアもその様子をこぞって伝え、『My Daily』紙は「ダヨンは完璧に適合していた。フォームは死んでいなかったのだ」と報じ、「ダヨンが復活を遂げて涙が出そうだった」「韓国は国の宝を捨てたんだ」「PAOKにとっては最高の買い物になっただろう」といった韓国ファンの声も紹介している。

構成●THE DIGEST編集部

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