11月13日、新日本プロレスは、『ワールドタッグリーグ2021＆ベスト・オブ・ザ・スーパーJr.28』を後楽園ホールで開幕。メインイベントでは、『ベスト・オブ・ザ・スーパーJr.28』公式戦として、IWGPジュニアヘビー級チャンピオンのエル・デスペラードと、NEVER無差別級6人タッグチャンピオンのSHOが激突した。

　YOHを裏切ってバレットクラブに闇堕ちして以来、すっかり豹変してしまったSHOは、ダーティーファイトで、相手の腕を集中攻撃。だが、デスペラードも鈴木軍で磨かれたラフファイト対抗し、足を執拗に攻め抜く。

　終盤に入ってからデスペラードはヌメロ・ドスを決めるも、バレットクラブの高橋裕二郎がレフェリーの足を引っ張って介入。それに気を取られたデスペラードに対し、背後からディック東郷がスポイラーズチョーカーでチョーク攻撃。すかさずSHOがスパナでデスペラードを殴りつけるというよどみのない無法殺法から、最後はショックアローが決めてカウント3を奪取した。

　試合後、会場の空気を吸い込んだSHOは「うまい！ うまい！ デスペラード！ お前の味付けは最高だ。ここの空気がめっちゃうまい。そういえば1年前、こんなこと言われたんですよ。つえーヤツが勝つんじゃねぇ、勝ったヤツが強いんだってね。まさにそのとおりだ」と不敵に笑った。
  「狂ったジュニアのパワーバランスを、オレが変えてやるよ！ついでに『スーパーJr.』に出てるヤツら、全員タダのオレの死体コレクションだ！」

　戸惑いを隠せないファンを尻目にバックステージにやってきたSHOは「ホールだけじゃない、バックステージまで最高の空気だ。次は誰？ あいつか！ じゃあ、現実教えてあげないとね。もう今のこの世の中には夢や希望、目標なんか叶わねえんだよ。あるのは欲望だけだ。明後日、いやこれからもずっとだ。オレがお前ら全員にそれを教えてやる」と一方的に叫んで控室へ去った。

　これまではデスペラードに悪のインサイドワークで散々やられて来たSHOだけに、自らが闇落ちをした今、立場を変えてやり返したい気持ちがあるのかもしれない。しかし、EVILのような無法ファイトをジュニアにまで持ち込まれるとなると、たまったもんじゃない。いったいこの暴走を誰が止めるのか？ これも今シリーズのテーマになるだろう。

◆新日本プロレス◆
『ワールドタッグリーグ2021＆ベスト・オブ・ザ・スーパーJr.28』
2021年11月13日
東京・後楽園ホール
▼『ベスト・オブ・ザ・スーパーJr.28』公式戦（30分1本勝負）
●エル・デスペラード【0点】（25分11秒　片エビ固め)SHO【2点】○
※ショックアロー

文●どら増田
【動画】悪は悪を知る！デスペラードとSHOの激しい攻防戦をチェック