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「恥ずべき決定だ!」ロシアのチェス名手が6か月出場停止の厳罰に憤慨!「私はアスリートである前に愛国者である」

THE DIGEST編集部

2022.03.23

元々はウクライナ国籍のカヤキン。今回の裁定により、世界選手権への道が事実上閉ざされた。(C)Getty Images

元々はウクライナ国籍のカヤキン。今回の裁定により、世界選手権への道が事実上閉ざされた。(C)Getty Images

 現地3月21日、FIDE(国際チェス連盟)は公式ホームページ上で声明を発表し、ロシア出身のグランドマスターであるセルゲイ・カヤキンに「6か月の出場停止」処分を言い渡した。
【関連画像】史上最年少でグランドマスターとなり、天才児と謳われた12歳当時のカヤキン

 ロシア軍のウクライナ侵攻作戦が始まって以降、カヤキンは自身のSNSで再三に渡ってロシア政府やウラジーミル・プーチン大統領を支持する投稿を繰り返してきた。FIDEの倫理委員会はこの点を問題視。「セルゲイ・カヤキンの規定違反に対して、FIDEが管轄する公式戦への出場を6か月間禁止する。本日より即実効された」と記し、「ウクライナへの軍事侵攻に対するカヤキンの言葉は、SNS上でおびただしい数のリアクションを生み、その意見は多くのネガティブな反響を呼んだ」と断じ、チェスという競技へのイメージダウンを招いたと糾弾した。

 チェス界の最高位であるグランドマスターに、史上最年少の12歳7か月で認定されたかつての天才児。32歳となったいまも最新世界ランキングで18位につける実力者だが、これで6月に行なわれる世界選手権予選への出場が断たれてしまった。

 これを受けてカヤキンは公式テレグラムで猛反論。「FIDEによる決定はまったくもって恥ずべきものだ。最近、すべてのスポーツにおける基本理念が踏みにじられてきた。スポーツは政治と切り離されるべきなのにだ!」とまくし立てる。そして、「もっとも大事なのは、私がアスリートである前に母国への愛国者であるということだ。ロシアの大統領と国民、軍を支持する気持ちになんら変わりはなく、何度でも同じ言葉を繰り返そう。まったく後悔などしていない!」と言い切った。

 さらに、プーチン大統領の右腕であるドミトリ・ペスコフ報道官も援護射撃を展開。ロシア・チェス連盟の評議委員長を務めており、今回の裁定に対してロシア国営通信社『TASS』にコメントを寄せ、「FIDEにはガッカリさせられたし、国際的な権威を持つ機関として再考を求める。まったく解せない」と怒りを露わにした。過去12度に渡って世界選手権を制したアナトリー・カルポフ氏も「彼らはチェス界を破滅させようとしている。まさに愚行だ」と容赦ない。
 

 FIDEはロシアおよびベラルーシ選手団が代表チームとして国際大会に出場することを禁じているが、現時点で中立的な立場での個人参加は認めている。カヤキンと同様に言動が審査対象となっていたロシアのセルゲイ・シポフは“無罪放免”と裁定され、継続して大会に出場する予定だ。

 ちなみにカヤキンはウクライナのクリミア出身で、2009年にロシアに国籍を変更した。ウクライナ国籍のグランドマスター、カタリーナ・ドルジコワと同年に結婚したが、ロシアがクリミアを併合する直前に離婚している。

構成●THE DIGEST編集部

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