フェラーリF1代表のマッティア・ビノットが、F1オランダGP後、アルファタウリの角田裕毅に対して発した言葉に非難が集まっている。
決勝レース中盤、角田のマシンにトラブルが生じ、ピットインを繰り返した後、コース脇に車を止め、バーチャルセーフティカーが導入された件について、「ツノダはまるでツナミ(津波)だね」と冗談めかしてコメントしたことが、イタリアのスポーツ新聞『ガゼッタ・デッロ・スポルト』で報じられたためで、それを受けて、スペインの『マルカ』紙、『CAR and DRIVER』スペイン版サイトなどでもこの発言が取り上げられた。
アルファタウリの兄弟チーム、レッドブルで走るマックス・フェルスタッペンを結果的に助ける形となったことで、腹立ちまぎれに出た言葉遊びなのだろうが、東日本大震災で津波の被害を直接受けた人々をはじめとする多くの日本人にとっては、決してユーモアとして看過できるものではなかったようだ。
発言への反響として、SNSには「本当に言ってるの? このような状況で“ツナミ”という言葉を比喩として使うのは失礼だ」「日本人について話す時に“ツナミ”を使用することは決して許されません。英語でも一般的な言葉として知られていますが、10年以上前に起こった恐ろしいことを思い出させます」といった厳しいコメントが多数並んでいる。
そしてこの発言は“ツナミ”被害者に対して無神経なだけではなく、F1が掲げる“We Race As One”という哲学にも反していると言えるだろう。
【動画】「電光石火の速さ」! 角田裕毅のオランダGP予選のレースをチェック 一方で同じく不本意な結果に終わったメルセデスのルイス・ハミルトンが「過去にもトロロッソ(アルファタウリの前身)が不調でピットインし、出てきて再び失速したことがある。これは今まで見てきた中で最も奇妙なことのひとつ」と述べるなど、兄弟チーム間での連携だと考える関係者、ファンは少なくなく、レッドブルの戦略責任者、ハンナ・シュミッツにも誹謗中傷が集まったが、アルファタウリは公式メディアを通じ、「レッドブル・レーシングの戦略責任者、ハンナ・シュミッツへの数々の非礼な言葉には失望している。このような憎悪に満ち溢れた状況は、とても容認できるものではない。(レッドブルとアルファタウリによる)不正行為との指摘も全く事実と異なるものであり、ハンナと我々アルファタウリ、両方へのリスペクトを欠いている」と強く抗議している。
マシンにディファレンシャルギアの問題が発生したことが真相で、チームとのコミュニケーションに混乱があったこともあり、思わぬ災難に遭遇してしまった角田。しかし、オランダGPでは予選Q3に進出。決勝ではスタートで出遅れたものの、ポイント獲得に向けて力強い走りを見せた。
次戦はチームの本拠地があるイタリアでのレースだけに、揶揄した面々に“台風の目”となる走りを見せつけたいところだ。
構成●THE DIGEST編集部
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アルファタウリの兄弟チーム、レッドブルで走るマックス・フェルスタッペンを結果的に助ける形となったことで、腹立ちまぎれに出た言葉遊びなのだろうが、東日本大震災で津波の被害を直接受けた人々をはじめとする多くの日本人にとっては、決してユーモアとして看過できるものではなかったようだ。
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マシンにディファレンシャルギアの問題が発生したことが真相で、チームとのコミュニケーションに混乱があったこともあり、思わぬ災難に遭遇してしまった角田。しかし、オランダGPでは予選Q3に進出。決勝ではスタートで出遅れたものの、ポイント獲得に向けて力強い走りを見せた。
次戦はチームの本拠地があるイタリアでのレースだけに、揶揄した面々に“台風の目”となる走りを見せつけたいところだ。
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