10月27日、スピードスケートの小平奈緒さんが都内で現役引退会見を開いた。平昌オリンピック女子500ｍ金メダリストの引退会見には、韓国やオランダなどの海外メディアも報じるなど、スピードスケート界を牽引してきた小平さんの功績の大きさを改めて示す場となった。

　98年長野オリンピックのスピードスケート男子500ｍ金メダリストの清水宏保氏は27日に公式ツイッターを更新し「小平奈緒さん楽しくも辛くもあった競技生活だったかと思います。数々の感動的な滑り、沢山の心に響く言葉を頂きありがとうございました。素晴らしい引退会見でした。本当に長い間お疲れ様でした！！」と小平さんへ労いの言葉を贈った。
【画像】「競技人生で1番幸せな日」現役を終えた小平奈緒の想い。労いを贈った清水宏保のメッセージをチェック

　小平さんも引退会見から一夜明けた28日に、自身の公式ツイッターを更新した。

「時々氷上で運動しながら来年の夏、八ヶ岳登山できるように、捻挫しない登山靴と山を愉しめるギアも揃えていかなくちゃ。普通、温泉行きたいとか、美味しいもの食べたいじゃないの？っていう感じですが、やっぱり絶景を見るために、登りたかったみたい。あとは、サイクリングも続けたいなぁ」

　トップスケーターとして、世界の強豪やオリンピックの重圧からようやく解放された小平さんは自然豊かな故郷・長野県の想いを馳せた。それだけではない。引退会見後に感じた自身の振る舞い、そして愛する後輩たちへの想いについても綴っている。
  「質問された事に対して、事実とその時答えられる思いを、自分なりの言葉で選んだつもりだったけど、まるで強く主張したかのような記事になってしまう。。。夢のある舞台に純粋な気持ちで、まっすぐ選手が向かえるように、今は距離を置いて応援することを選択しました。変わっていけると信じたい。」

　98年、小学５年生の冬に長野オリンピックの男子500ｍスピードスケートで清水宏保が金メダルを獲得したのを目の当たりにした少女はオリンピックを志し、のちに女子スピードスケート界の先駆者となった。1000ｍでは世界記録（当時）も樹立した。小柄な体格で世界の強豪と戦い抜いた小平さんは、後輩たちが進むべき道を切り開いていった。

「地に足つけて、子どもたちの目、学生たちの目を見てがんばっていこう」

　小平さんの真っすぐな想いを綴ったSNSを見たユーザーからは「素敵ですね、応援してます！」「それがあなたが守るべき精神です」「奈緒さんの笑顔と地道な活動で世界は変わると思います。これまで通りご自身のやりたいことに集中してください」「奈緒さんの生徒になりたいな」「小平先生、応援しています！」と激励の意見が多く寄せられた。

　小平さんは今後、長野県の信州大学特任教授として１年生を対象としたキャリア形成や健康科学に関する授業科目を担当するという。もちろん、大好きなスケートを通した交流や企業、学校での講演会も予定している。小平さんの第２のキャリアに、今後も期待したい。

構成●THE DIGEST編集部

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