12月13日、“モンスター”が自らの拳で高い壁を打ち砕いた。
ボクシングのWBAスーパー、WBC、IBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥(大橋)が、WBOバンタム級王者のポール・バトラー(英国)と4団体王座統一戦に臨み、11回KO勝ちで王座統一に成功した。「日本ボクシング史上最高傑作」と言われた男が、ついに日本人初となるバンタム級の完全統一王者に輝いた。
【画像】「4団体制覇やりました!」井上の想いが綴られたツイッターはこちら
試合はガードを固めるバトラーに対し、井上が積極的に攻撃を仕掛けるという構図で展開された。井上は序盤からバトラーのボディやヘッドにパンチを繰り出し、自らのペースで試合を進める。第6ラウンド途中から井上はノーガードで顔を前に突き出すなど、WBO王者を“挑発”したが、相手は容易に誘いに乗らず、ガードを崩せず手こずった。
それでも観客からの「ナオヤ」コールを受けた井上は、第10ラウンドからギアをもう一段階上げて、バトラーにボディやフックを浴びせ畳みかける。そして、第11ラウンドで強烈なボディを喰らわせると、ついにバトラーの牙城が崩れた。必死に起き上がろうとするも、ダメージの蓄積はやはり大きく、ベビーフェース・アサシン(バトラーの愛称)はノックアウトとなった。
世紀の一戦は、ボクシング大国の米国でも注目されていた。米老舗スポーツ専門誌『The Sporting News』のマーク・モリニュー記者はアジア人初の4団体王座統一に成功した29歳に対し、「ナオヤ・イノウエがポール・バトラーに圧倒的なKO勝利を収め、歴史に名を刻んだ」と大きく報じた。
記事のなかでは、「イノウエがバトラーを圧倒し、4団体初のバンタム級チャンピオンになったことで、誰がバンタム級の頂点に君臨するかについて、もはや疑問の余地はない。地元のヒーローは、英国人選手を圧倒して11ラウンドKO勝利を収め、“ザ・モンスター”は戦績を24勝0敗とした」と井上の完勝劇を絶賛している。
また、モリニュー記者は、試合内容についても鋭く踏み込んでおり、「バトラーをコーナーに追い詰めてパンチの連打を浴びせると、イノウエは序盤で相手を突き放すことに成功した。バトラーはイノウエの攻撃を避けようと、必死に周りを回っていた」と井上が終始優勢だったと指摘する。
加えて同記者は、井上がバトラーを“挑発”したノーガードの場面については、バトラーが井上の鋭いパンチを警戒して思うように手が出せず、ガードに徹するしかなかったと言及している。
「“ザ・モンスター”は、バトラーの高いガードの隙間から何度も左ジャブを放ち、バトラーも左フックが当たらないポットショットに終始していた。イノウエは両手を後ろに回し、顎を突き出し、マタドールのような格好でパンチを打たせることもあった。しかし、バトラーは、アッパーカットや右のループを繰り出すことを予感して、当然ながら躊躇して行動に移せなかった」
バトラーは米スポーツ専門局『ESPN』の試合前インタビューで、「観客の一人ひとりがイノウエを応援することを知っている。しかし、私はライオンの巣窟に入り、ショーをするのは嫌いじゃない」と自信のコメントを語っていた。
モリニュー記者はそのインタビューを引用し、「結局はイノウエがファンを楽しませる一方的な試合となり、11ラウンド1分09秒にボディブローとヘッドへの連打でバトラーを陥落させ、そこから彼は立ち直ることができなかった」と綴り、結果的に井上のお膳立てとなってしまったバトラーは完敗を認めざるを得ないと記している。
試合後、井上はスーパーバンタム級への転向を明言。さらに、公式ツイッターにはこの試合に懸けてきた想いを吐露している。
「4団体制覇やりました!数多くの方々にサポート頂き実現したこの試合で見た景色は最高でした。。みんな本当にありがとう!!少しゆっくり休んでまた頑張ります!」
さらなるベルト奪取を視野に入れる日本の“モンスター”は、今後どこまで進化するのだろうか。この男の動向から、目を離さずにはいられない。
構成●THE DIGEST編集部
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【関連記事】「凄く遠回りしました」4団体統一王者を成し遂げた井上尚弥、4年間の“苦悩”を吐露!「スーパーバンタム級」への転向も明言
ボクシングのWBAスーパー、WBC、IBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥(大橋)が、WBOバンタム級王者のポール・バトラー(英国)と4団体王座統一戦に臨み、11回KO勝ちで王座統一に成功した。「日本ボクシング史上最高傑作」と言われた男が、ついに日本人初となるバンタム級の完全統一王者に輝いた。
【画像】「4団体制覇やりました!」井上の想いが綴られたツイッターはこちら
試合はガードを固めるバトラーに対し、井上が積極的に攻撃を仕掛けるという構図で展開された。井上は序盤からバトラーのボディやヘッドにパンチを繰り出し、自らのペースで試合を進める。第6ラウンド途中から井上はノーガードで顔を前に突き出すなど、WBO王者を“挑発”したが、相手は容易に誘いに乗らず、ガードを崩せず手こずった。
それでも観客からの「ナオヤ」コールを受けた井上は、第10ラウンドからギアをもう一段階上げて、バトラーにボディやフックを浴びせ畳みかける。そして、第11ラウンドで強烈なボディを喰らわせると、ついにバトラーの牙城が崩れた。必死に起き上がろうとするも、ダメージの蓄積はやはり大きく、ベビーフェース・アサシン(バトラーの愛称)はノックアウトとなった。
世紀の一戦は、ボクシング大国の米国でも注目されていた。米老舗スポーツ専門誌『The Sporting News』のマーク・モリニュー記者はアジア人初の4団体王座統一に成功した29歳に対し、「ナオヤ・イノウエがポール・バトラーに圧倒的なKO勝利を収め、歴史に名を刻んだ」と大きく報じた。
記事のなかでは、「イノウエがバトラーを圧倒し、4団体初のバンタム級チャンピオンになったことで、誰がバンタム級の頂点に君臨するかについて、もはや疑問の余地はない。地元のヒーローは、英国人選手を圧倒して11ラウンドKO勝利を収め、“ザ・モンスター”は戦績を24勝0敗とした」と井上の完勝劇を絶賛している。
また、モリニュー記者は、試合内容についても鋭く踏み込んでおり、「バトラーをコーナーに追い詰めてパンチの連打を浴びせると、イノウエは序盤で相手を突き放すことに成功した。バトラーはイノウエの攻撃を避けようと、必死に周りを回っていた」と井上が終始優勢だったと指摘する。
加えて同記者は、井上がバトラーを“挑発”したノーガードの場面については、バトラーが井上の鋭いパンチを警戒して思うように手が出せず、ガードに徹するしかなかったと言及している。
「“ザ・モンスター”は、バトラーの高いガードの隙間から何度も左ジャブを放ち、バトラーも左フックが当たらないポットショットに終始していた。イノウエは両手を後ろに回し、顎を突き出し、マタドールのような格好でパンチを打たせることもあった。しかし、バトラーは、アッパーカットや右のループを繰り出すことを予感して、当然ながら躊躇して行動に移せなかった」
バトラーは米スポーツ専門局『ESPN』の試合前インタビューで、「観客の一人ひとりがイノウエを応援することを知っている。しかし、私はライオンの巣窟に入り、ショーをするのは嫌いじゃない」と自信のコメントを語っていた。
モリニュー記者はそのインタビューを引用し、「結局はイノウエがファンを楽しませる一方的な試合となり、11ラウンド1分09秒にボディブローとヘッドへの連打でバトラーを陥落させ、そこから彼は立ち直ることができなかった」と綴り、結果的に井上のお膳立てとなってしまったバトラーは完敗を認めざるを得ないと記している。
試合後、井上はスーパーバンタム級への転向を明言。さらに、公式ツイッターにはこの試合に懸けてきた想いを吐露している。
「4団体制覇やりました!数多くの方々にサポート頂き実現したこの試合で見た景色は最高でした。。みんな本当にありがとう!!少しゆっくり休んでまた頑張ります!」
さらなるベルト奪取を視野に入れる日本の“モンスター”は、今後どこまで進化するのだろうか。この男の動向から、目を離さずにはいられない。
構成●THE DIGEST編集部
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