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格闘技・プロレス

井上尚弥はSバンタム級で勝てるのか? ドネア母国紙が訴えた“最高傑作”の課題「大型の相手に壊滅的ダメージを与えられるか」

THE DIGEST編集部

2023.01.23

バンタム級では図抜けたパワーで相手を軽く凌駕してきた井上(中央)。アフマダリエフ(左)とフルトン(右)が王座に位置する新たな舞台でも、支配力を発揮できるのか。(C)Getty Images

バンタム級では図抜けたパワーで相手を軽く凌駕してきた井上(中央)。アフマダリエフ(左)とフルトン(右)が王座に位置する新たな舞台でも、支配力を発揮できるのか。(C)Getty Images

 日本ボクシング界が産んだ“最高傑作”に関する娯楽は尽きない。前4団体世界バンタム級統一王者の井上尚弥(大橋)だ。

 今月13日にバンタム級の全タイトルを返上した“モンスター”は、スーパーバンタム級への階級上げを明言。本人が「これからが本当の闘いになる」と意気込んでから5日後には、米スポーツ専門局『ESPN』を始めとする複数メディアによって、WBC、WBOスーパーバンタム級王者スティーブン・フルトン(米国)との対戦が合意。今年5月の日本開催で話が進んでいると報じられた。

 バンタム級を支配したモンスターが、新たな階級で、いきなり無敗の王者と対峙する――。そのビッグニュースはSNSなどを介して世界に拡散され、大きな話題を呼んだ。そうしたなかで、「やはりイノウエには新たな挑戦が必要だったのだ」と訴えたのは、フィリピンの日刊紙『Phil Star』だ。

 まず、同紙は、母国の英雄で、井上が2度も打ち破ったノニト・ドネア(フィリピン)を引き合いに出し、「ドネアはもう2回も負けた。つまりバンタム級に日本の怪物に太刀打ちできる相手はいない。同じことを繰り返しても意味がない。そもそも偉大なアスリートには、常に新たな挑戦が必要なのだ」と強調。今回の階級上げに理解を示し、スーパーバンタム級での可能性について論じた。
 
「興味をそそられるのは、イノウエのスピードとパワーが、より打たれ強くなるスーパーバンタム級の大型選手たちを相手に壊滅的なダメージを与えられるかどうかという点だ。これは、いかに優れたボクサーでも通らなければならない伝統的な問題である。彼がフルトンやアフマダリエフといった無敗の戦士たちを相手にどこまでパワーを発揮できるかは注目しがいがある」

 さらに13日の会見で「長く見ていきたい」と語った井上の見解をふまえたうえで「ここから減量が身体的に厳しくなることを考えても、スーパーバンタム級への転向は理にかなっている」と断言した同紙は、レポートの最後を次のように結んだ。

「いずれにしても彼がスーパーバンタム級でタイトルを獲るのは歴史的な出来事だと言える。そしてイノウエがバンタム級を去った副次的な効果は、多くのフィリピン人ファイターたちが狙えるタイトルが4つもあるということだ。モンスターに2度も破れたドネアにもチャンスがあるということだ。イノウエはまるでサンタクロースのようにフィリピン人たちに置き土産を残していったのである」

 はたして、井上は未知なる階級でどれだけの功績を残せるのか。彼の一挙手一投足には、文字通り世界が熱視線を送っている。

構成●THE DIGEST編集部

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