数多のドラマを生んだ北京五輪が閉幕して、もうすぐ1年を迎える。
とりわけ大きな話題を提供したのが女子フィギュアスケートだ。ROC(ロシア・オリンピック委員会)代表のカミラ・ワリエワのドーピング疑惑に世界を揺れるなか、女子シングルで金メダルを激しく争ったのが同胞のアンナ・シェルバコワとアレクサンドラ・トゥルソワだった。結果は前者の優勝に終わったが、すべての演技終了後に前代未聞のハプニングが起こる。
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その日の女子フリーで5度の4回転ジャンプを成功させたにも関わらず、銀メダルに納得がいかないトゥルソワの感情が爆発した。コーチであるエテリ・トゥトベリーゼ氏に向かって「あなたはすべてを知っていた!」と号泣しながらまくし立て、なんと抱擁しようとした恩師の手を振り払って拒否。「セレモニー(メダル授与式)には出ない」「もうアイスには戻らない」「このスポーツが大嫌い!」と発するなど、パニック状態に陥ったのである。
最終的に表彰式に出席し、翌日のエキシビションでも元気よく「ワンダーウーマン」を披露するなど気丈に振る舞ったが、あの日の出来事についてはずっと口を閉ざしてきた。
昨年10月にトゥトベリーゼ氏の元を離れ、新たなコーチに師事すると発表。ロシア出身選手は国際大会への出場を禁じされているため、国内での大会に登場したトゥルソワだったが、北京五輪時の豪快さも切れもなく、4回転ジャンプも封印した。最近はロシア・フィギュアスケート界の重鎮であるエフゲニー・プルシェンコ氏と行動を共にする機会が多く、自身が主演するアイスショーを手掛けてもらっている。
そんな平穏な日常を送る18歳のトゥルソワが、ロシア・メディア『Match TV』のインタビューに応え、北京五輪時の記憶を紐解いた。「今ならば、北京オリンピックで起きたことについての質問にも落ち着いて答えられるわ」と話し、次のように振り返っている。
「実はたまに今でも、あの時の自分の演技を見返すの。自分が号泣している姿を観ると、いろいろなことが思い出されて、やっぱり泣いてしまう。でも、あのようなリクアションになってしまうのはしょうがなかった。すべてを撮影されたくはなかったけど、あの瞬間の私はどうしようもないほど自制できなかったのよ。5度の4回転(ジャンプ)は本当に難しいものだった。成功させるためにどれだけの時間と努力を積み重ねたか分からない。だから……望んでいた結果に終わらなくて、恥でしかないと強く感じていたの」
トゥルソワは現在、ロシアの男子フィギュアスケートでエースとして君臨するマルク・コンドラチュクとの交際を明らかとしている。プライベートで充実の一途をたどりつつ、今後もスケーターとして競技を続行するのか。それとも先輩であるアリーナ・ザギトワやエフゲニア・メドベージェワのようにアイスショーに軸足を置きながら、エンタメ界で新境地を開いていくのか。その動向が注目される。
構成●THE DIGEST編集部
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「実はたまに今でも、あの時の自分の演技を見返すの。自分が号泣している姿を観ると、いろいろなことが思い出されて、やっぱり泣いてしまう。でも、あのようなリクアションになってしまうのはしょうがなかった。すべてを撮影されたくはなかったけど、あの瞬間の私はどうしようもないほど自制できなかったのよ。5度の4回転(ジャンプ)は本当に難しいものだった。成功させるためにどれだけの時間と努力を積み重ねたか分からない。だから……望んでいた結果に終わらなくて、恥でしかないと強く感じていたの」
トゥルソワは現在、ロシアの男子フィギュアスケートでエースとして君臨するマルク・コンドラチュクとの交際を明らかとしている。プライベートで充実の一途をたどりつつ、今後もスケーターとして競技を続行するのか。それとも先輩であるアリーナ・ザギトワやエフゲニア・メドベージェワのようにアイスショーに軸足を置きながら、エンタメ界で新境地を開いていくのか。その動向が注目される。
構成●THE DIGEST編集部
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