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バレーボール

石川祐希「チームに申し訳ない」、無念の負傷退場で敗退も大黒柱として存在感大きく! カップ戦2大会連続の4強進出で見せた変貌

佳子S.バディアーリ

2023.03.01

コッパ・イタリア準決勝でミラノは敗退となったが、石川は負傷退場となるまで圧巻のパフォーマンスを見せた。写真:佳子S.バディアーリ

コッパ・イタリア準決勝でミラノは敗退となったが、石川は負傷退場となるまで圧巻のパフォーマンスを見せた。写真:佳子S.バディアーリ

 主戦場とするイタリアリーグで今シーズンの節目となるコッパ・イタリア準決勝を戦い終えた男子日本代表の主将・石川祐希。試合直後のインタビューを通して前回大会からの進化を探った。

 セリエAで8シーズン目、所属先のパワーバレー・ミラノで3シーズン目を送る石川。リーグ4強入りと並ぶ今シーズンの目標は、昨シーズンに逃したコッパ・イタリア決勝の舞台だった。

【動画】石川祐希も大奮闘! 準決勝トレンティーノ戦をチェック
 ミラノの準決勝は、2大会連続で同じカード。対戦相手は前回大会で決勝への切符を奪ったイタス・トレンティーノだ。2セットアップで勝利に王手をかけたミラノだったが、逆転を許して無念の敗退となった。会心のパフォーマンスで相手を圧倒していた石川が、3セット目終盤に負傷。一度ベンチに下がりテーピングによる処置を受けて4セット目開始からコートへ戻るも、プレーを続けられるコンディションではなかった。複数の現地メディアは無慈悲なアクシデントが勝敗の大きな分岐点になったことを伝えて、ミラノが柱石とする背番号14の離脱を惜しんだ。

 試合を終えた石川にコートサイドで声をかけると、唇を真一文字に結んで痛めた左脚の付け根あたりを手で示した。検査の結果を待たなければならないが、どうやら左大腿部の内転筋付近のように思えた。説明してくれた経緯はこうだ。第3セットの途中から患部の異変に気づき、痛みが出始めた後もコートに立ち続けて大腿部前面の筋肉に痙攣が発生。プレー続行を試みた第4セットは、慣れないテーピング固定で負荷がかかり右脚大腿部にも筋肉痙攣が起きてしまい、コートを後にするしかなかったという。

 今回の試合は、2セットを先取して最高のスタートを切ったミラノ。第1セットは粘りに粘って相手のセットポイントを6度にわたり回避した後、自分たちの6度目のセットポイントを石川がバックアタックで仕留め35-33のスコアで奪取した。石川は、「あの難しい状態から1セット目を取ることができた。それが2セット目にもつながったと思う」と振り返った。初の準決勝で試合に入り込めないまま完敗した一年前の前回大会。当時、「トップチームに勝っていくには忍耐が不可欠」と語っていた石川の言葉通り、2度目の準決勝では我慢を貫いたミラノがトレンティーノを窮地へ追い込んだ。

 しかし、誰よりも輝きを放っていた石川にアクシデントが降りかかる。
「3セット目の途中からちょっと脚を痛めてしまいコートを外れ、4セット目も前半の最初にスパイクを1本打っただけで、その後コートに戻ることができなかった。本当にチームに申し訳なくて悔しい気持ちでいる。1つここを勝ってファイナルへ行くのが目標だった。それを達成できなかったことが非常に悔しい」
 
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