専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
フィギュア

「ジャンプで精一杯だった」世界選手権2連覇の坂本花織が4年前を回顧。世界女王を支えた“経験”からの成長【フィギュア】

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2023.03.25

世界選手権2連覇を飾った坂本。FSでミスはあったが、見事に挽回してみせた。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

世界選手権2連覇を飾った坂本。FSでミスはあったが、見事に挽回してみせた。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

 3月24日、フィギュアスケートの世界選手権で坂本花織が日本フィギュアスケート界史上初の世界選手権2連覇を達成した。激闘の女子フリーを終えて一夜明けた25日、世界女王が報道陣の取材に応じた。

 坂本は「アドレナリンが出過ぎて、結局一睡もできずに朝を迎えました」と昨日は寝付けなかったと明かし、「脳が働いているか、今日不安です」と答えたが表情は明るかった。

 結果として2連覇は達成した。しかし、演技後半のジャンプミスにはやはり悔しい気持ちがあるようで、「悔しい思いと嬉しい思いの両方があった。今後の自分の糧にしていきたい」と振り返った。

 4年前の世界選手権。坂本は同じさいたまスーパーアリーナで開催された同大会で後半の3回転フリップ+3回転トウループのフリップが1回転になるミスを犯した。ショート2位ながら、ジャンプミスが響きフリーは5位に終わり、初の表彰台を逃した。「4年前はジャンプで精一杯だった」と振り返る坂本だが、同じミスをしても今年はコンビネーションにつけたことで、僅かの差で逃げ切れた。

 指導する中野園子コーチは、「あのトウループをやっていなかったら、フリーでは点数が足らなくて2番になっていた。あれをとっさに締めたのは偉かったと思います」と、トウループをつけたことが勝敗の分かれ目だったと強調している。
 
 昨年は北京五輪での銅メダルや世界選手権の金メダルなど、世界のトップ舞台で戦った。その「経験が生きた」と語る坂本。たとえミスしても挽回できる地力をつけたことで、「今はステップとか、他の表現のところでも頑張ろうって思っている。そこは成長しているかな」と手応えを感じている。

 2連覇したことで、来季はより求められるレベルが高くなる。世界女王は表現の幅を広げる意味で、「ダンス、バレエなどを取り入れるべきかな。それが実行できたら」と、来シーズンを見据えた。

 現状に満足することなく、世界女王は成長を追い求めていく。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

【関連記事】坂本花織が涙の金メダル!!日本女子史上初のフィギュア世界選手権2連覇!

【関連記事】「ベルギー国旗を持ってるひとー!?」金メダルの坂本花織が表彰式後に“神行動”!世界一の“気配り”に敬意「尊敬するスケーター」【フィギュア世界選手権】

【関連記事】「見て!すごくない!?」伊ペアが日本のスケートファンを絶賛!! たくさんの星条旗を掲げる姿に米ペアも感動「皆さんの前で滑るのは本当に大事」【フィギュア世界選手権】

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号