日本列島を揺るがせた衝撃的な強さは、稀代の名トレーナーも絶賛している。

　7月25日、東京・有明アリーナで行なわれたボクシングのWBC・WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチで、井上尚弥（大橋）が2団体統一王者スティーブン・フルトン（米国）を8回TKOで破り、新2団体王者となった。

　世界中のファン、関係者が視線を送った同階級初戦でのベルト挑戦というシチュエーションだったが、最後は強打で体格に勝るフルトンをなぎ倒した井上。前バンタム級4団体統一王者の実績に相応しく、新たな階級でもその強さを如何なく発揮したモンスターに対し、ボクシング史に名を残すボクサーたちを指導してきた米国人トレーナーからも、その戦いぶりを称える声が寄せられている。

　米スポーツサイト『Essentially Sports』は現地26日、過去多くの世界チャンピオンを指導し、現在は世界戦のテレビ解説を務めるテディ・アトラス氏のコメントを掲載している。同氏は自身のSNSにおいて、「私は常に 1930 年代から 60 年代、70 年代から 80 年代をボクシングのベストとして支持してきた。しかし、ナオヤ・イノウエはどの時代にも適合できる人物だ」と井上の実力を激賞している。
  　続けて、「彼はスピード、パワー、賢さ、テクニック、頭脳、本能、タイミング。そして、制御された凶暴性からなる完全なパッケージだ。シンプルに、スペシャルだと言える」と発信。『Essentially Sports』は、井上に最大級の賛辞を送ったアトラス氏のコメントを紹介したうえで、「単なる賞賛の域を超えている」と指摘。モンスターの怪物っぷりに感嘆の声を漏らす。

　同氏の言葉通り、レフェリーが8回で試合を止めるまで、井上が見せたボディからのストレート、左での追い打ちなどは、今までのオフェンスになかったかのような迫力と強烈なインパクトを世間に見せつけた。さらに、今回のトピックでは「この日本人ボクサーの驚異的な8ラウンドTKO勝ちは、ボクシング史における彼の地位を確固たるものにした」と強調。歴史に残る勝ち方だったと、興奮を隠しきれない。

　スーパーバンタム級での新章幕開けで、圧倒的な強さを印象付けた井上。再び歩み始めたチャンピオンとしての道のりは、はたしてどんな戦いを繰り広げるのか。世界中のボクシング識者からの期待は高まり続けている。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】世界を震撼させた井上尚弥の衝撃TKOシーン

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