最後の最後にまたしてもドラマが待っていた。

　ハンガリー・ブダペストで開催されていた世界陸上は現地８月27日に大会最終日を迎え、女子４×400メートルリレーが最終種目となった。ここで、驚異の逆転劇が生まれたのだ。
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　アンカーにバトンが渡った時点で、１位ジャマイカ、２位英国、そして３位オランダの構図。大逃げを打つジャマイカに対して、残り30メートルで猛然とスパートをかけたのが、オランダの最終走者であるフェムケ・ボルだった。ぐいぐいと加速して英国のイヤーギンをかわすと、ゴール目前でジャマイカのウィリアムスまで僅差で抑えて勝ち切ったのだ。

　３分20秒72の大会レコードを叩き出し、同種目で初の金メダルを獲得したオランダ。ボルは今大会初日の混合４×400メートルリレー決勝でもアンカーを務め、優勝を目前としたゴール前５メートルのところで転倒して金メダルを逃した。「こんなこともある。この悔しさはこの大会で晴らす」と巻き返しを期し、女子400メートルハードルで見事金メダルを奪取。そして最終日、豪快なラストスパートで母国に栄誉をもたらしたのである。
  　TBS実況で現地解説を担当してきたシドニー五輪女子マラソンの金メダリスト、高橋尚子氏は「ボルで始まってボルで終わった大会。素晴らしい！」と興奮。ネット上でも「すげぇ大逆転！」「笑顔が最高だった」「鳥肌立ったわ」「間違いなく一番のヒロイン」「今大会にふさわしい幕切れだ」「マジでシビれた」「本当に最後まで面白い大会でした」などなど、大きな反響を呼んでいる。

構成●THE DIGEST編集部

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