フィギュア

「まったく違うジャンプ」島田麻央、大技2本成功へ思わず”本音”吐露も昨季からの「伸びしろ」を実感した部分とは?【フィギュア】

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2023.09.17

昨季の世界ジュニア女王・島田が今季初の国際大会で優勝を飾った。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

 昨季の世界ジュニア女王が貫録を見せつけた。

 フィギュアスケートのジュニアグランプリ(GP)シリーズ日本大会が7年ぶりに大阪・泉佐野市の関空アイスアリーナで開催された。16日は女子フリーが行なわれ、14歳の島田麻央が今シーズン初の国際大会で優勝を収めている。
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 前日のショートで今季世界最高得点(73.78点)を叩き出し、首位発進した島田。エメラルドグリーンの衣装を身にまとい、トリプルアクセルと4回転ジャンプの大技2本を組み込んだ高難度構成で臨んだ。

 会場が固唾を飲んで注目した冒頭のトリプルアクセルは見事に着氷。本人は「あまり納得できなかったけど、回転不足をとられなくて良かった」と振り返った。そして、2本目の大技4回転トゥループは軌道をつけて踏み切るも、惜しくも転倒してしまう。「練習から調子を上げるのが難しかった。練習からはまってなかったのが、やはり試合で出てしまった」と反省するも、女王はそのあと失敗を引きずらず、ジャンプはノーミス。見事な修正力を発揮した。

 どうしてもジャンプがクローズアップされるが、スピン・ステップに関しては十分手応えを掴んでいる。事実、ジャッジシートには最高評価のレベル4がすべてついた。「スピンは良かった。(今後も)伸びしろはあると思う。特にコレオは表情に表れて自然と笑顔になれた」と演技終盤で見せた笑顔が、表現者として昨季からの成長を実感しているようだ。
 
 フリーの得点は140.08点。ショートの貯金も生き、合計213.86点。結果として、2位に25.71点差をつける圧勝で頂点に立った。

 演技後は師事する濱田美栄コーチから「今日の演技は良くなかった。もっとちゃんとやろうね」と𠮟咤激励を受けた14歳は「まったく違うジャンプなので、両方(4回転トゥループとトリプルアクセル)調子を上げるのは本当に難しい」と苦労を覗かせるも、「思い切って跳べたことに後悔はない。今後も両方続けていきたい」と言葉に力を込めた。

 身長も少し伸び、一歩ずつ大人へと成長している女王は「もっと緊張を力に変えて、次は成功できるようにしたい」と誓う。来月で15歳を迎える瞳は、より高みを目ざし、進化を続ける。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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