北京五輪の女子フィギュアスケートで銀メダルを獲得したアレクサンドラ・トゥルソワ。４回転ジャンプを５度も着氷させて世界を驚かせたが、準優勝に終わった現実を受け入れられず、号泣してコーチに暴言を吐くなど大立ち回りを演じたのも記憶に新しい。
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　そんなトゥルソワも現在19歳。エフゲニー・プルシェンコ氏が主催するアイスショーの主要メンバーで、ロシア国内では企業とのタイアップやイベント＆ＣＭ出演に引っ張りだこの人気者だ。ディズニー映画「塔の上のラプンツェル」が大好きだと公言し、もともと長かった赤髪はいまや大腿部にかかるまでに成長している。

　もちろんフィギュアスケート競技からの引退は明言していないが、ロシア通信社『RIAノーボスチ』によると、「トゥルソワが夏に北京で行なわれたアイスショーから帰国して以降、定期的なトレーニングを中断した。彼女が最後に公式大会に出場したのは、2022年11月。サマラで開催されたロシア・グランプリで２位に食い込んだのが最後だ」という。およそ１年間も実戦から遠ざかっているのだ。

　先週金曜日は父親とともにプロアイスホッケーのエキシビションマッチにゲストとして出場したトゥルソワ。こうした状況に遺憾の意を示したのが、ロシア・フィギュアスケート界の御意見番で指導者として名を馳せたタチアナ・タラソワ氏だ。76歳の重鎮はトゥルソワの近況を受けて、『RIAノーボスチ』に次のようなコメントを寄せている。
  「すべては広告PRのためでしょ？　推測の域を出ないけど、もう彼女を大会で観ることはないでしょうね。本当に残念だわ。私たちは彼女がすべての４回転を跳んだ事実を知っているし、まだまだあのスケーティングを観たいと思っているのに...。あの若さで、もはや金儲けのことしか考えていないなんて！　（スケートでの）世界的な名声など望んでいないのでしょう。彼女がオリンピック・チャンピオン、世界チャンピオン、ヨーロッパ・チャンピオンに二度となれないことがとても残念。あまりにも悲しい」

　インスタグラムのフォロワー数はアリーナ・ザギトワやアンナ・シェルバコワのそれを上回る人気ぶり。どの投稿も、北京五輪直後には決してみせなかった屈託のない笑顔が溢れているが...。だとしても、フィギュアファンにとっては残念な展開だろう。特大の野心を包み隠すことなく、氷上で常にギラギラしていたトゥルソワのスーパーパフォーマンスはもう拝めないのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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