戦友との固い絆が垣間見えた。
バレーボールのネーションズリーグ(VNL)は現地6月29日、ポーランド・ウッチで男子の決勝ラウンド準決勝が行なわれ、日本(世界ランク2位)が同3位のスロベニアを3-0のストレートで撃破し、初の決勝進出を果たすと同時に表彰台を確定させた。
【PHOTO】石川祐希、高橋藍、西田有志…バレーボール界が誇る"神レベル"のイケメン選手たちを一挙にお届け!
ストレート勝利の結果以上に、手に汗握る白熱した一戦だった。日本は先制するも、第2セットは相手ペースで劣勢の展開だった。しかし、終盤に50秒も続く長いラリーをキャプテン石川祐希がチームの想いを込めて決め切り、この試合一番の派手なガッツポーズが飛び出した。頼れるエースの一打で波に乗った日本は第2セットを連取した。
そして第3セットは主導権を握り点差を広げたが、スロベニアの驚異的な5連続得点などでセットカウントを先に握られる。だが日本は、追い詰められた場面でも真骨頂の全員バレーでデュースに持ち込む粘り強さを発揮。互いに1点ずつを取り合う痺れる展開に発展するも、最後はスロベニアのスパイクがわずかに日本ブロックの指先に触れず、31-29で熱戦をモノにした。
難敵をストレートで退けた日本。相手の強打を何度も好レシーブで防ぎ、絶妙なポジショニングで得点の芽を摘んだ守備の名手・山本智大は試合後のインタビューで「競った場面でも、しっかり日本のバレーをやってきてチーム全員で勝ち切れた」と誇らし気に振り返った。
第2セット途中には勝負の分かれ目となった約50秒にも及ぶ長いラリーを制した。「日本の強みであるサイドアウトをとること。乱される部分もあったが、相手より粘れたことが勝因」と言及した直後、「相手のオポジットのスパイクが僕の顔面に当たってから、スイッチが入りました」とスロベニアの得点源であるトンチェク・シュテルンの強打を顔面に食らい、その勢いで後ろに倒れたシーンを笑いながら茶目っ気たっぷりに話した。
次に、話題がパリ五輪の代表入りについて質問されると、山本は表情を引き締めて「一番(最初に)僕の頭に浮かんだのは小川智大の顔。この何年間、(同じポジションで)切磋琢磨して高いレベルで高め合ってきた戦友でもあるので、東京五輪の借りを返したい気持ちもあるけど、プラスで小川の分もしっかり頑張って、結果を残してメダルを取って小川の首にもかけてあげたい気持ちが一番強い」と述べ、無念のパリ落選となった盟友への熱い想いを吐露した。
オリンピックの代表メンバーは、今大会の14人より少ない12人で臨むことになっている。「リベロは1人しか選べない」とフィリップ・ブラン監督は発表前から明言しており、世界に誇れる実力を持つ山本と小川は互いに認め合う間柄で、同監督もギリギリまでリベロの選考を悩んだ。結果的に山本が代表入りを果たした後も、小川の落選は小さくない反響を呼んだ。
戦友への想いを持って挑むVNL決勝の相手は、地元ポーランド(世界ランク1位)をフルセットの末に下したフランス(同5位)に決定した。世界トップレベルの守備職人は「明日大事な一番が残っている。リベロとしてたくさんボールを拾いたい」と誓う。
相手は東京五輪金メダリストの強敵だが、日本最強リベロは頂点だけを見据える。
構成●THE DIGEST編集部
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バレーボールのネーションズリーグ(VNL)は現地6月29日、ポーランド・ウッチで男子の決勝ラウンド準決勝が行なわれ、日本(世界ランク2位)が同3位のスロベニアを3-0のストレートで撃破し、初の決勝進出を果たすと同時に表彰台を確定させた。
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ストレート勝利の結果以上に、手に汗握る白熱した一戦だった。日本は先制するも、第2セットは相手ペースで劣勢の展開だった。しかし、終盤に50秒も続く長いラリーをキャプテン石川祐希がチームの想いを込めて決め切り、この試合一番の派手なガッツポーズが飛び出した。頼れるエースの一打で波に乗った日本は第2セットを連取した。
そして第3セットは主導権を握り点差を広げたが、スロベニアの驚異的な5連続得点などでセットカウントを先に握られる。だが日本は、追い詰められた場面でも真骨頂の全員バレーでデュースに持ち込む粘り強さを発揮。互いに1点ずつを取り合う痺れる展開に発展するも、最後はスロベニアのスパイクがわずかに日本ブロックの指先に触れず、31-29で熱戦をモノにした。
難敵をストレートで退けた日本。相手の強打を何度も好レシーブで防ぎ、絶妙なポジショニングで得点の芽を摘んだ守備の名手・山本智大は試合後のインタビューで「競った場面でも、しっかり日本のバレーをやってきてチーム全員で勝ち切れた」と誇らし気に振り返った。
第2セット途中には勝負の分かれ目となった約50秒にも及ぶ長いラリーを制した。「日本の強みであるサイドアウトをとること。乱される部分もあったが、相手より粘れたことが勝因」と言及した直後、「相手のオポジットのスパイクが僕の顔面に当たってから、スイッチが入りました」とスロベニアの得点源であるトンチェク・シュテルンの強打を顔面に食らい、その勢いで後ろに倒れたシーンを笑いながら茶目っ気たっぷりに話した。
次に、話題がパリ五輪の代表入りについて質問されると、山本は表情を引き締めて「一番(最初に)僕の頭に浮かんだのは小川智大の顔。この何年間、(同じポジションで)切磋琢磨して高いレベルで高め合ってきた戦友でもあるので、東京五輪の借りを返したい気持ちもあるけど、プラスで小川の分もしっかり頑張って、結果を残してメダルを取って小川の首にもかけてあげたい気持ちが一番強い」と述べ、無念のパリ落選となった盟友への熱い想いを吐露した。
オリンピックの代表メンバーは、今大会の14人より少ない12人で臨むことになっている。「リベロは1人しか選べない」とフィリップ・ブラン監督は発表前から明言しており、世界に誇れる実力を持つ山本と小川は互いに認め合う間柄で、同監督もギリギリまでリベロの選考を悩んだ。結果的に山本が代表入りを果たした後も、小川の落選は小さくない反響を呼んだ。
戦友への想いを持って挑むVNL決勝の相手は、地元ポーランド(世界ランク1位)をフルセットの末に下したフランス(同5位)に決定した。世界トップレベルの守備職人は「明日大事な一番が残っている。リベロとしてたくさんボールを拾いたい」と誓う。
相手は東京五輪金メダリストの強敵だが、日本最強リベロは頂点だけを見据える。
構成●THE DIGEST編集部
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