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バレーボール

「ターニングポイントだった」大塚達宣が語ったパリ五輪52年ぶり金メダル奪還への収穫「『高橋藍選手がいなくて負けた』と言われるのは、すごく嫌だった」

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2024.07.10

大塚はVNL銀メダルの快挙を振り返った。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

大塚はVNL銀メダルの快挙を振り返った。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

 男子バレーボール日本代表が7月10日、都内でパリ五輪に向けた囲み取材に応じた。キャプテンの石川祐希は、あらためて目標を「金メダル」に設定。1972年のミュンヘン大会以来、52年ぶりの金メダル奪還をチーム一丸で目指す。

 先日のバレーボール最強国決定戦「ネーションズリーグ(VNL)」で過去最高成績となる銀メダルを獲得した日本はパリ五輪1次リーグでドイツ(日本時間7月27日=16:00)、アルゼンチン(同31日=20:00)、アメリカ(同8月2日=28:00)と対戦する。東京大会に続く代表入りを果たしたアウトサイドヒッターの大塚達宣は「選んで頂いたことは嬉しいことですが、代表メンバーとして戦う自覚だったり、責任という気持ちの方が大きい」と語り、無念の落選となったメンバーの想いを汲みながら、本大会に向けて気を引き締めた。

 VNL序盤は試合途中での起用が多かったが、少しずつ出場時間を増やしていき、第2週の福岡大会では世界ランク1位のポーランド戦でスタメン起用された。結果はストレートで完敗を喫したが、この一戦を「ターニングポイントだった」と語り、「自分の中でも気持ちとプレーがすごいできていたし、自分だからこそ出せる雰囲気やプレーの数値だけでなく、数字じゃないところも自分の中で大事にしている部分を含めて出せた試合だった」と振り返り、「今年のネーションズリーグが一番出場機会も多かったですし、コートに立ってる時間も長かったので、自分もしっかり貢献できて(銀メダルを)取れた、残した結果だなという印象がすごく強い」と充実した表情で話した。
 
 VNL決勝ラウンドは左足首の負傷でリザーブに回った高橋藍に代わり、先発起用された。フィリップ・ブラン監督の期待に応えるかのように大塚は攻守で躍動し、ここぞの場面でスパイク、レシーブでもチームを救うファインプレーを見せた。「高橋選手が怪我してしまって、『やっぱりいなかったら、日本負けるのか』とか言われるのもすごい嫌ですし、自分も出るからには結果を残したい気持ちもあった」と当時の正直な気持ちを告白しながら、肉体的かつ精神的にタイトなスケジュールを必死にこなしたアウトサイドヒッターは「結構しんどかった。でも終わってみれば楽しかったな」と、最後は目を細めて笑った。

 パリ五輪の前哨戦で大きな結果を残した日本男子バレー。大塚は具体的な収穫として、チームに一番足りなかった大舞台での”経験”を挙げており、「チームとしても力がついてきたと思います。(決勝進出は)自信がついた部分だと思うので、この経験を自分が大事にして、自分がスタートに立っても途中から入っても、チームにいいエネルギーを与えたら」と声を弾ませ、パリ本番をしっかりと見据えた。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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