バレーボール

「こいつ好きだな」五輪初出場のチーム最年長・深津旭弘が夢中になった“後輩”石川祐希のキャプテンシー「普通の青年なんですけど…」

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2024.07.11

チーム最年長の深津(右)が主将の石川(左)について興味深い一面を語った。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

 7月10日、男子バレーボール日本代表が都内でパリ五輪に向けた囲み取材に応じた。キャプテンの石川祐希は前日にチーム全員と相談し、オリンピック本大会の目標を「金メダル獲得」と堂々宣言。52年ぶりの頂点を目指す。

 絶対的エースの想いは、しっかりとチームメイトに響き、皆が同じ視線を向いている。今月23日で37歳となるセッターの深津旭弘は「このチームはオリンピックに行けて良かったとか、そういうレベルのチームではないと思う。とにかくチームの目標があるので、そこに向かって本当にすべてを懸けたいと思います」と最年長のベテランは、静かにそう語った。

 星城高校(愛知県)の先輩・後輩の間柄でもある2人。深津は「後輩という感じじゃなくて、本当にひとりの世界トッププレイヤーとして尊敬している。普段は普通の青年なんですけど、年下の本当にいい人です」と、にこやかに話す。
 
 ところがある日、石川のキャプテンらしい一面を見て「こいつ好きだな」と、さらに好感を抱いたという。

「試合が終わった後に、いつもひと言言うんだけど、その時になんか話してた内容が『こいついいな。いい人間だな』みたいに思って。その時に、より彼の力になりたいなと思いました。(Q:具体的には?)ネーションズリーグの準決勝スロベニア戦の後かな。なんか素直な彼の言葉に、すごいいい人だなと。より好きになりました」

 好きになった肝心の言葉は伏せたが、「ちょっとでも自分が彼の助けというか、このチーム全体の力になれれば」と重ねたほど、石川がチームメイトに贈った言葉はベテランの琴線に触れたようだ。

 最年少の20歳である甲斐優斗とは16歳差。チームの中ではムードメーカーを兼ねる経験豊富なベテランは、初のオリンピックの舞台でエースを最後まで支える覚悟だ。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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