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「史上最悪の式典」「退屈だ」セーヌ川での入場、世界的歌手の起用、奇抜モニュメントの開会式が波紋。悪天候での決行に苦言も【パリ五輪】

THE DIGEST編集部

2024.07.27

土砂降りの雨の中でパリ五輪の開会式が行なわれた。(C)Getty Images

 史上類を見ない開会式が波紋を呼んでいる。

 現地7月26日、パリで100年ぶり3度目となるオリンピックの開会式が行なわれた。夏季五輪では史上初めてスタジアムの外で実施された開会式に観客席は満員。セーヌ川沿いをトップアスリートが船でパレードする奇想天外な入場をひと目見ようと約30万人が詰めかけ、世界的人気アーティストのレディー・ガガ、アヤ・ナカムラの登場や趣向を凝らした演出が繰り広げられた。
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 聖火リレーも超豪華だった。サッカー元フランス代表で母国を初のワールドカップ優勝に導いた英雄ジネディーヌ・ジダン氏をはじめ、「全仏オープン」で史上最多となる14度の優勝を誇るラファエル・ナダル(スペイン)、女子テニスのセリーナ・ウィリアムズ氏(アメリカ/シドニー・北京・ロンドン大会優勝)、陸上競技のカール・ルイス氏(アメリカ/同ロサンゼルス・ソウル・バルセロナ・アトランタ大会優勝)、女子体操のナディア・コマネチ氏(ルーマニア/モントリオール・モスクワ大会優勝)ら金メダリストが勢揃い。聖火トーチをリレーしたのち、最後は柔道のテディ・リネールと陸上短距離のマリージョゼ・ペレク(ともにフランス)の2人が聖火を受け取り、巨大な球体に火をつけると球体が夜空に浮かび上がり、エッフェル塔との美しいコラボレーションを描き余韻を残した。

 まさにオリンピックの歴史に刻まれる革新的な開会式となった一方で、海外メディアの評判は著しくない。オーストラリア最大のニュースサイト『ABC.net.au』は「史上最悪の式典に世界が反応」と強烈な見出しを打って、パリ五輪の開会式を一刀両断した。
 
 記事ではまず、「残念なことに、世界が見たものはまったく違うものだった。パリ大会は、まるで高校の文化祭のような音楽発表会の形で開幕し、アスリートたちは色鮮やかなセーヌ川のスペクタクルな影に隠れてしまった」と辛辣な言葉から書き出した。

 続けて、「20隻ほどの船の一団が川の視界に入った後、レディー・ガガがムーラン・ルージュにインスパイアされたパフォーマンスで登場すると、雰囲気は一変した。彼女の黒い衣装と明るくメイクアップされた表情は、階段のステージを飾る巨大なピンクの羽の芸術的な一団と対照的だった。彼女のオリンピックのパフォーマンスは、2007年のブリトニー・スピアーズのMTVショー以来最悪だ」と批判した。

 また、英国のテレビプロデューサーを務めるジェイソン・リード氏は「世界のトップアスリートが船で入場した件はうまくいったと思うが、正直に言おう。変なカット割り、モニュメント、雰囲気がすべてダメだ」とテレビマンとしてシビアな感想を述べると、「フランスには申し訳ないが、この川の演出は私には合わない。延々と続く船の行列は退屈だ。レディー・ガガでも救えない」と低評価を下した。

 さらに仕方ないとはいえ、悪天候での決行についても苦言を呈している。「選手たちがずぶ濡れになり、夜になるにつれて天候はどんどん悪化していった。彼らがスタジアムを歩き、オリンピックの雰囲気に浸り、母国の旗を振って入場するのを見るのではなく、小雨が降る中、200隻以上のボートがゆっくりと川を下っていくのを我慢して見なければならない」と言及すると、「いったい誰のアイデアだ?これは史上最悪の開会式として語り継がれるだろう」と断じた。

 日本では27日の午前2時半にスタートしたパリ五輪の開会式。超異例と言える入場行進、数々のセレモニーは世界的な賛否を巻き起こしている。

構成●THE DIGEST編集部

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