７月31日、韓国の最大手公営放送局『MBC』は「パリ五輪のサーフィンで"旭日旗"サーフボードが登場寸前！...で韓国代表監督が阻止!?」と題した記事を更新。サーフィン男子、オーストラリア代表のジャック・ロビンソンが使用しようとしていた、旭日旗柄のサーフボードに対して、韓国のスポーツ競技団体を統括する『大韓体育会』が、豪州オリンピック委員会に抗議した事実を報道。物議を醸している。

『MBC』は、記事の中で、ロビンソンが、ハワイ・サンセットビーチで開催された、ワールド・サーフ・リーグ（WSL）世界最高峰のプロツアーCT（チャンピオンシップツアー）第２戦で優勝し、パリ五輪の優勝候補であることを伝えた上で、「パリで大日本帝国の象徴"旭日旗"が描かれたサーフボードを使おうとしたところ、それを知った韓国代表チーム監督の通報でブレーキがかかった」と説明した。

　パリ五輪開幕２日前の25日には、ロビンソンは自分のSNS（フォロワー41万人）に旭日旗柄のサーフボード４枚を並べて撮った写真をアップ。「あと２日...AIにインスパイアされたボード」と記している（同投稿はすでに削除されている）。

　ロビンソンが影響を受けた『AI』こと、米国ハワイ州カウアイ島のハナレイ出身のアンディ・アイアンズは2010年に心臓発作が原因で急逝。世界中に彼を愛するファンがいる伝説的なサーファーのひとりで、2002年から2004年にかけて３年連続でワールドチャンピオンに輝いている。

　同局は続けて、「ジャック・ロビンソンは自分の幼い頃のアイドルであるアンディを追悼する意味で、オリンピックで旭日旗のサーフボードを持って出場しようとしたのである」と伝え、どうやらロビンソンは政治的な意図で使用した訳ではない模様だ。

　そして、同局は「韓国サーフィン代表監督が通報‥MBCが問い合わせると書き込みだけ削除」「この投稿がアップされた当日、韓国サーフィン代表監督はこの内容をMBCに通報した」と綴り、SNS投稿された当日には、韓国代表チームと大韓体育会が把握していたことを伝えている。
  　また同局は、「その後、ジャック・ロビンソンとマネジメント会社は投稿を削除した」と伝え、ロビンソン側の関係者は、同局に「彼はこれがネガティブなシンボルであることをほとんど知らないと思う。彼はただアンディのボードで見たことだけを印象的に覚えているだろう」と伝えた。

　それを受けて同局は、ジャック・ロビンソン側が開会式の前日に「旭日旗サーフボードを試合で使用しない」と回答したことを報じた。

　その後、同件を問題視した韓国代表監督は「欧米圏のサーファーたちの間で、旭日旗が日本帝国主義の象徴であることを知らず、あるいは知っていてもデザイン的に活用することが多い」とコメントした。

　なお、渦中の豪州代表ロビンソンは、現地３日に行なわれる準決勝の第２ヒートで、五十嵐カノアを下したブラジル代表のガブリエル・メディーナと対戦する。

構成●THE DIGEST編集部

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