柔道で実施された"疑惑のルーレット"の不信感が止まない。

　現地８月３日、パリ五輪の柔道競技は最終日を迎え、混合団体戦が行なわれた。決勝は東京大会に続き、日本とフランスが激突。日本は３対４の大逆転負けを喫し、銀メダルに終わった。

　４戦先勝方式で日本は３勝１敗と王手をかけたが、阿部一二三、高市未来が連続で敗れてフランスに土壇場で追いつかれると、最終決戦は代表戦の階級を決めるデジタルルーレットによる抽選に委ねられた。

　これが世界中で物議を醸した。会場の大きなビジョンに決着をつける階級が青い文字で「＋90Kg」のところでピタリと止まると、会場は割れんばかりの大歓声。今大会の100キロ超級で３度目の金メダルに輝いた母国の英雄テディ・リネールの出場が決まり、フランスが最も有利な結果となった。

　開催国にとってはこれ以上ないベストな形となり、リネールに大声援が送られた。この日、２度目の対戦となった斉藤立は必死に絶対王者に食い下がるも、最後は大内刈り一本負け。崖っぷちから大逆転での金メダルに会場のシャン・ド・マルス・アリーナは狂喜乱舞。一方、五輪初出場の22歳は畳を降りると責任を感じ号泣した。
  　国際柔道連盟の公式インスタグラムは「過去最高のファイナル。フランスと日本が一生忘れられない柔道の90分を生み出した」と記し、熱戦となった両国の死闘を絶賛。「テディ・リネールは、フランスのためオリンピックのタイトルを防衛するため１度ではなく、２度も呼び出された」と綴り、金メダルを母国にもたらしたリネールの勝利を称える投稿をした。

　だがこの投稿に対し、世界中から糾弾する意見が続出。コメント欄は大荒れの事態に発展している。特に、最後に選ばれたのがリネールだったことが拍車をかけており、「本当の勝者は日本」「とても不公平だ」「ゴールデンスコアの最終ドローは詐欺だった」「判定はひどく一貫性がなく、このスポーツは世界中で笑いものになってきている」「吐き気がするほどの茶番」などなど、無作為に選ぶルーレットシステムに不信感を抱いている。

　雌雄を決する大一番で生まれた疑惑のルーレット。勝敗の行方を左右したとあって、波紋はしばらく続きそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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