日本時間８月８日（日付は以下同）、パリ五輪レスリング競技の男子グレコローマン77kg級決勝がシャン・ド・マルス・アリーナで行なわれ、日本代表の日下尚がデメウ・ジャドラエフ（カザフスタン）を５－２で破り、金メダルに輝いた。

　試合終了直後からマットの中央でのバク転を披露したり、スタンドに入って家族や友人たちをハグするなど、喜びを爆発させていた日下。インタビューでも「夢を見ているようです。最高に楽しい６分間でした。（人生）変わりました！このために小さい頃からきつい思いを乗り越えてやってきたので、本当に優勝できてよかったです」と声を弾ませた。

　決勝戦を振り返り「正直、自分のプラン通りの試合展開ではなかったんですけど、最後は自分を信じることしかできなくて。マットの上に上がったら誰も助けてくれないし、信じるのは自分と過去の練習量。自分自身を奮い立たせて前へ出続けました」と回想した日下。
  　その自分を支えてくれたのは「オリンピックへの憧れが一番強くて、オリンピックに憧れてレスリングを続けてきて、憧れの場所で優勝できたのは、さっきも言ったけど本当に現実かわからない」と話した。

　前日に男子グレコローマン60kg級で金メダルに輝いた文田健一郎は、日体大の先輩にあたる。「健一郎先輩という、自分が高校生の時に世界チャンピオンになった憧れの選手が、先輩として自分を引っ張ってくれたって感じです」と、その存在が刺激になったと語った。

　インタビューの最後に「やったぜ！」と叫んだ日下。どこまでもまっすぐな好青年が、今後の男子レスリング界を牽引していってくれそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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