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“性”を巡る問題にスパイ行為、セーヌ川汚染… パリ五輪を揺るがした「7つの論争」を米大手メディアが選定!

THE DIGEST編集部

2024.08.09

様々な議論、騒動が起きたパリ五輪。米メディアが象徴的な7つの論争を選んだ。(C) Getty Images

 パリ・オリンピックでは日々、各競技で熱戦が繰り広げられる中で多くの興奮と感動が生まれているが、同時に競技場の内外で問題が噴出し、それに対する不満や批判が渦巻いている状況である。

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 不可解な判定がしばしば物議を醸しているのはこれまでの多くの大会同様だが、さらに性別の公平性を巡る議論、性差別的な発言、スパイ行為、そして水質問題と、論争の対象は実に多様だ。大会は8月11日まで続くが、アメリカのニュース情報誌『Newsweek』は「パリの混乱:五輪を揺るがした7つの論争」と題した記事で、とりわけ大きな問題とされた出来事を選定している。

 まず挙げられたのは、女子ボクシング66キロ級で決勝まで勝ち進んでいるイマネ・ケリフ(アルジェリア)の性別適格騒動。男性ホルモンの分泌量が多い特異体質を持つ彼女との対戦で、対戦相手のアンジェラ・カリーニ(イタリア)が「自分の身を守るため」という理由で棄権したことが大きな注目を集めることとなった。

 昨年の世界選手権ではIBA(国際ボクシング連盟)が「XY染色体を有している」として出場権を剥奪したが、IOCはケリフ、そして同じ体質である台湾のリン・ユーティン(57キロ級)ともに「科学的な見地から出場は問題ない」と真逆の判断を下し、現在、両機関は対立状態となっている。

 同メディアは、パリ五輪組織委員会のスポークスパーソンに取材を試み、「ケリフらが受けているハラスメントに対して強く非難する。それは到底受け入れられないものであり、我々が支持するオリンピズムの価値に反する」とのコメントを引き出したが、性別と競技の公平性のバランスという難しい問題を抱えており、今後も論争は続いていきそうだ。

 続いてはテレビ解説者による性差別発言で、フランスのラジオ局『RMC』の解説者が女子テニス・ダブルスの一戦で、イタリアのサラ・エラーニについて「家事全般をこなす」と語ったことが「女性蔑視的なコメント」と批判されたが、スポーツ専門チャンネル『EUROSPORT』でも、水泳の女子100m自由形リレーの後、「化粧をするため、ぐずぐずしている」と発言した解説者が即座にその職を解かれている。
 
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