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波紋が収まらないインド人レスラーの失格騒動…世界レスリング連盟会長が見解「ルールを貫く以外に選択肢はない」「いかなる変更にも反対だろう」【パリ五輪】

THE DIGEST編集部

2024.08.11

失格を言い渡されたビネシュ。(C) Getty Images

 まだまだ波紋は収まりそうにない。去る現地8月7日、パリ五輪の女子レスリングフリースタイル50キロ級決勝でサラ・ヒルデブラント(米国)と戦う予定だったビネシュ・フォガト(インド)の失格騒動だ。

 今大会は、初戦で東京五輪金メダリストの須﨑優衣を撃破するなど、怒涛の快進撃を見せていた29歳だが、まさかの決勝当日に計量失敗...。「体重超過」による失格が言い渡され、表彰台に立つこともできなかった。この処分を不服としたビネシュは現在、銀メダルを求めてスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴している。

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 現地11日、インド放送局『NDTV』の独占インタビューに応じた世界レスリング連盟(UWW)のネナド・ラロビッチ会長は、大きな論争を巻き起こしているビネシュの失格騒動についてコメント。「起こったことについては本当に残念」と同情を寄せながらも、失格処分に再考の余地はないと考えているという。

 さらに、「国の大きさは関係ない。どのアスリートもみんな同じだ」と続け、「計量は公の場で行なわれ、誰もが起こったことを見ている」と指摘したラロビッチ氏。「みんなが見ていて、どうして出場を認められるというのか。私たちはルールを貫く以外に選択肢がない」と強調し、その後も次のように説明している。

「選手たちの健康面に配慮してこのルールを導入した。だからアスリートは、競技に参加するためにウエイトルールを守らなければならない。規定に多少調整を加えることは可能かもしれないが、変えるつもりはない。私たちは、医療委員会から助言や協力を受けている。彼らはいかなる変更にも断固反対だろう」

 失格後には、自身のXで現役引退を表明したビネシュ。はたして今回の騒動は、最終的にどのような結末を迎えるのだろうか...。

構成●THE DIGEST編集部

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