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性別騒動で渦中の女子ボクサーが閉会式で旗手の大役を”ドタキャン”で外される! 母国関係者は「普通のことだ」と憶測を否定【パリ五輪】

THE DIGEST編集部

2024.08.12

性別騒動に翻弄されたケリフ。閉会式では母国の旗手を務める予定だったのだが…。(C) Getty Images

 物議を醸したボクサーが再び注目を集めている。

 現地8月11日、パリ五輪はスタッド・ド・フランスで閉会式が行なわれた。選手入場時に日本の旗手を務めたのは陸上の女子やり投げで金メダルに輝いた北口榛花と、開会式でも大役を担ったブレイキン男子の半井重幸(ダンサー名=Shigekix)が務めた。

 だが一方で、名誉ある旗手の大役をドタキャンされた選手がいる。性別を巡り出場の是非が議論されたなか、ボクシング女子66キロ級で金メダルを獲得したアルジェリア代表のイマネ・ケリフである。

 英大衆紙『Daily Mail』電子版によると、ケリフがパリ五輪の閉会式で母国の旗手を務める予定だったが、土壇場でその役目が他の選手に変更された。当日、同国の旗手は体操の種目別段違い平行棒で金メダルを獲得したカイリア・ヌムールと、陸上の男子800メートル銅メダリストであるジャメル・セジャティが務め、ケリフはチームの一員として参加した。

 直前での変更について、アルジェリア・オリンピック委員会は「普通のことだ」と主張するのみ。性別騒動で世界中に大論争を巻き起こしていることとは、「無関係」と強く否定している。同委員会の関係者によると、「ケリフがアルジェリアの国旗を掲げないのはごく普通のことだ。(体操選手の)ヌムールはまだ若い女性であり、彼女が旗手の役割を担うのは正しいことだ。これは何も珍しいことではない」とだけ説明しており、それ以上の言及は避けている。
 
 ケリフは昨年の世界選手権に出場した際、国際ボクシング協会(IBA)が実施したDNA検査を用いた性別検査で「(男性が有するとされる)XY染色体を持っている」と結論づけられ失格となったが、パリ五輪では"女子選手"として出場が認められた。国際オリンピック委員会(IOC)は、ケリフと同じく性別を巡って出場が議論された女子57キロ級のリン・ユーティン(台湾)とともに「女性として生まれ、女性として育った」と主張。2人のパリ五輪の出場資格を認め、結果的に両選手は金メダルを獲得した。

 閉会式では他の選手と一緒に入場して満面な笑顔を見せていたケリフ。会場の声援に応えながら国際映像のカメラには獲得した金メダルを誇らしく掲げていたが、果たして胸中は如何に――。

 今大会、最も物議を醸したボクサーには、まだ懐疑的な視線が注がれている。

構成●THE DIGEST編集部

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【画像】閉会式旗手の大役を”ドタキャン”されたケリフ。入場では笑顔も

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