バレーボール

「これいける!と思った」男子バレー石川祐希、”あと1点”が遠かったイタリア戦を回顧。28年ロス五輪へ意欲も「オリンピックでしか返せないものがある」【パリ五輪】

THE DIGEST編集部

2024.08.17

キャプテンとしてチームを牽引した石川。準々決勝のイタリア戦では32得点を挙げた。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部/JMPA代表撮影)

 男子バレーボール日本代表の石川祐希が8月16日に放送されたTBS系「中居正広の金曜日のスマイルたちへ 2時間SP」に出演し、準々決勝で敗れたイタリア戦を振り返った。

 52年ぶりの金メダル奪還を目指した日本は予選リーグを突破したが、準々決勝のイタリア戦でフルセットの末に敗北。第1、2セットを連取して勝利に王手をかけたが、第3セットは24-21からまさかの逆転負け。そのまま3セットを連取され、「あと1点」の壁に阻まれる悪夢の大逆転で涙をのんだ。

 予選リーグは調子やパフォーマンスが良くなかった石川は「キャプテンとして周りを気にしすぎていた。チームメイトの表情、雰囲気だったり、そこを気にしすぎていた」と反省し、イタリア戦では気持ちを入れ替え32得点と大爆発。「決勝トーナメントは負けたら終わりなので、もうやるしかない」と不退転の決意で臨み、攻撃をけん引した。

 石川は第3セットでマッチポイントを握ったとき、「これいける!って思いました」と率直な心境を告白。だが、イタリアが底力を発揮してこのセットを落とすと、流れが相手に傾いた。「いけるって思って隙が出てしまったのか。それとも1点を取りにいこうと思っていつも以上に力んでしまったり、攻撃に入ろうとしすぎて守備が疎かになってしまったりだとか、振り返れば(敗因は)あると思います」と振り返った。

 また、他の競技を見て感じた部分として、「必死さっていうところにフォーカスしすぎていたというか。1点を取らないと!っていう思いになりすぎていた。いろんな競技のメダルマッチを見ていると、そう思いましたね」と付け加えた。
 
 予選リーグ初戦のドイツ戦、そしてベスト8のイタリア戦でも勝ち切れるところで、「あと1点」が取れずに落とした試合だった。「いつもだったら取れていた。これがオリンピックの独特の雰囲気なのかと、あらためて感じたところもある。結果が伴ってないところを見ると、自分たちの実力とオリンピックでパフォーマンスを発揮する能力が足りなかった」と、初の有観客の中で行なうオリンピックの試合の難しさを痛感した。

 勝ち急いでしまった結果、苦汁を味わった石川は「その経験をどう生かすか。あと1点の状況でも、心の底から楽しめるような準備をする。そういうメンタルを身に付けることを、ここからの4年で高めることが大事」と強調。「個人的な意見ですが」と前置きしたうえで、「メダルを目指して戦いたい。オリンピックでしか返せないものがある。ロサンゼルスオリンピックをひとつの目標にして進んでいきたい」と、4年後への新たな決意を語る場面もあった。

構成●THE DIGEST編集部

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