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「東京は素晴らしい環境だった」五輪4大会連続出場の英ボート選手が選手村の食事を回顧「ほぼ毎日通って食べた」【パリ五輪】

THE DIGEST編集部

2024.08.23

パリ五輪で大きな話題をさらった選手村の食事の評判。(C)Getty Images

パリ五輪で大きな話題をさらった選手村の食事の評判。(C)Getty Images

 パリ五輪で連日激闘を繰り広げた各国のトップアスリート。生活を拠点にする施設で提供される食事で、一部の選手は3年前の東京大会で口にした”ある主食”が忘れられなかったようだ。

 先日閉幕したパリ五輪では、選手村の食事の評判が大きくクローズアップされた。地元メディアによると、イギリスやドイツの選手団は「我々が求めるメニューや量ではない」と選手村の食事を批判。イギリスのある選手は「食事には苦労したね。ピーク時に行くと、チキンをひと切れ手に入れるのさえ難しかった」と告白した。

 英国の文化・政治経済ニュースサイト『Hyphen Online』は一部食事の評判は悪かったものの、五輪期間中にイスラム教徒のアスリートたちが夢中になった選手村の料理を特集。幅広いメニューがアスリートの栄養ニーズを満たしたとも紹介している。

 同メディアによると、選手村の料理は「フレンチ」「ワールド」「アジア」「アフリカ・カリビアン」と大きく4つのテーマに分けられており、食材とその原産地の説明がディスプレイに記されていたという。イギリスのボート選手で2012年ロンドン大会から4大会連続出場したモハメド・スビヒは過去の選手村の食事を振り返り、東京大会が群を抜いてレベルが高かったと太鼓判を押している。

「東京には、ハラルフード(イスラム教の教えで食べてよいとされる食べ物)であるとアラビア語で明確にマークされた巨大なセクションがあったんだ。ハラルを希望するイスラム教徒のアスリートは、そのセクションに行くことができた。しかも、多くのコーナーにはハラル食品が備えられ、希望すればアメリカンバーガーを手に入れることができた。東京は多くの異なる料理を提供してくれて、いろんな食べ物を入手しやすい素晴らしい環境だったよ」
 
 イスラム教では生活全般において戒律があり、食べ物に関しても「食べてよいもの」と「食べてはいけないもの」が細かく定められており、イスラム教の教えで食べてよいとされている物を「ハラルフード」と呼んでいる。全面的に禁じられているのは、豚肉とアルコール。豚から派生したすべてのもの、および豚と接触した食品もすべて禁忌とされている。

 スビヒによると、東京五輪の選手村で一部のハラル食品が非常に人気があり、非イスラム教徒のアスリートからも大好評だったという。

「東京ではハラルのセクションに多くのイスラム教徒がいたので、とても賑やかだった。しかも、パラタ(主食であるパン)がとても美味しかったので周りを見渡すと、大勢のイギリスチームがパラタを手に入れようとしてたから、僕らも必死だったよ。あの味は忘れられず、ほぼ毎日食べに通ってたぐらいだ」
 
 東京大会では、3000席の「メインダイニング」で日本料理や世界各国の料理、フリーに対応した約700種類の料理が24時間提供された。メインダイニングの他にも日本の食文化を楽しんでもらう「カジュアルコーナー」には、おにぎりやお好み焼きなどの和食、カレーや餃子などが豊富にあり、多くの海外アスリートがSNSなどで選手村の料理を激賞。コンビニのお菓子やアイスなどに舌鼓を打つ動画も発信され、日本の”食”を絶賛するコメントが相次ぎ話題となった。

 今月28日にはパラリンピックが、いよいよ開幕を迎える。パリ五輪で浮き彫りになった食事の課題を改善することはできるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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