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2028年ロス五輪サーフィン開催を巡り、米老舗専門誌は「ウェーブプールで開催すべきだ」と私見!一方で海は「波が予測不能で、ジャッジは解読不能」と指摘

THE DIGEST編集部

2024.08.28

パリ五輪サーフィン男子日本代表の五十嵐カノア。Photo:ISA / Pablo_Jimenez

パリ五輪サーフィン男子日本代表の五十嵐カノア。Photo:ISA / Pablo_Jimenez

 パリ大会で2回目の五輪開催となったサーフィンは、パリから約1万6000キロ離れた仏領ポリネシアのタヒチ島チョープーで行なわれた。大会期間は決まっているなか、自然相手に波のコンディションを窺いながら行なわれた仏領タヒチでのオリンピックは、序盤から先が見えないなか進行。スケジュールが読めないためか、日本ではテレビでの生中継もなかった。
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 4年後の2028年の開催地はサーフィン大国アメリカのロサンゼルス。サーフィンの開催をめぐりアメリカでは、引き続き“海”で競技を行なうべきか、“ウェーブプール”と呼ばれる人工の波が立つサーフィン専用の施設で行なうべきか、議論が巻き起こっている。

 1960年創刊のアメリカ老舗サーフィン専門誌『SURFER MAGAZINE』は8月26日に「オリンピック・サーフィンをウェーブプールにするか、中止にするか」と題した記事を更新。パリでのサーフィン競技が行なわれる前は、ファンらが「世界最高のサーファーたちが世界で最も危険な波でサーフィンをするのだから、見ていてスリリングになるだろう」と期待していたが、実際には「競技が始まると、そのような会話はほとんどなくなった。小休止は長すぎ(波を待つ時間)、ジャッジは解読不能、波は予測不能」と言及した。

 同メディアは続けて、「2028年のロサンゼルス大会では、サーフィンはウェーブプールで開催すべきだ。この先、すべての大会で」と指摘し、続けて「例えば体操選手を見てみよう。彼らは皆、ルーティンの中でほとんど同じ要素をやっている。彼らを際立たせているのは、いかにうまくやるかだ。反復可能で、公平で、一般の観客にも理解できる」と記した。

 画面で初めてサーフィンを観戦する人にとっては、「風の変化、ジョン・ジョン・フローレンス(ハワイ出身のサーファー)の天才的な波のポジショニングを理解できない観客がいる。彼らが求めるのは、アクロバットや、各サーファーが勝利のために波の上で魅せるドラマなのだ」と言及している。

 さらに同メディアは、「本物のサーフィンとは似ても似つかないが、スノーボードのハーフパイプも同様だろう。ところで、(本誌は)ウェーブプールのファンではない。ウェーブプールがいかにサーフィンの自然美に対する冒涜であるか...」とした上で、「サーフィンを体操や陸上競技、バレーボールなどと同じレベルのスポーツに押し込もうとするならば、波のプールだけが生み出すことのできる競争的な適合性に押し込めたほうがいい」と綴った。
 
 また同メディアは、ウェーブプールで開催すれば「誰もが同じ波を受ける。同じ量の得点チャンスを得る。しかし、おそらくもっと重要なのは、ウェーブプールの一貫性が、複雑で再現性のあるエアーを可能にするということだ。正直なところ、オリンピックが求めているのはそういうことなのだ」と指摘している。

 最後に同メディアは、LAの2028年大会で、海で開催することになれば「ローワーズ(南カリフォルニアに位置するサーファーズ・パラダイス)が安全な賭けのようだ」と言及するも「しかし、パームスプリングス(カリフォルニア)のウェーブプールはかなり楽しそうだ。それを受け入れてもいいかもしれない」と記し、締め括った。

 日本のサーフィン関係者の間でも「ロス五輪は、ウェーブプールで行なうべきか、海で行なうべきか」といった議論が再びSNSで沸騰中。今後、この話題は全世界で議論を呼ぶことになるだろう。

構成●THE DIGEST編集部

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