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エッフェル塔の五輪マーク騒動が激化…パリ市長と設計者エッフェルの子孫協会が法廷闘争へ?「祖先への敬意を損なう改変には反対」

THE DIGEST編集部

2024.09.09

エッフェル塔に取り付けられた五輪マークが物議を醸している。(C)Getty Images

エッフェル塔に取り付けられた五輪マークが物議を醸している。(C)Getty Images

 エッフェル塔に取り付けられた五輪マークを今後も維持したいパリ市長と、永続的な設置に反対するエッフェル塔の設計者ギュスターブ・エッフェルの子孫協会が対立し、両者の主張は法廷で争われるかもしれない。仏通信社『AFP』が現地9月9日に報じた。

【画像】エッフェル塔に輝くオリンピックのシンボルマーク!

 騒動の発端は現地8月31日、仏紙『Ouest-France』に掲載されたパリのアンヌ・イダルゴ市長のインタビュー記事だった。イダルゴ市長は「五輪マークはエッフェル塔に残るでしょう。決定権はパリ市長の私にあり、IOC(国際オリンピック委員会)の同意も得ている」と発言した。

 エッフェル塔の所有者はパリ市のため、決定権はパリ市長にあるというのがイダルゴ市長の主張だ。ただ、これには反対意見が相次いだ。フランスのラシダ・ダティ文化大臣が自身のX(旧ツイッター)で「エッフェル塔は保護された記念碑で、偉大な技術者と創造者の作品だ。エッフェル塔の建築とその作品を尊重するため、大幅な改造を加える場合は、フランス文化遺産法典に基づく認可を受け、影響評価をする必要がある」と記載。

 続けて、「五輪シンボルの設置、オリンピック法によって一時的に認められたもの。この分野で何らかの決定や発表がなされる前に、遺産保護を目的としたすべての手続きと協議が尊重されることが重要だ」とイダルゴ市長に物申した。
 
 パリ市民からも反対の声が挙がり、さらにエッフェル塔を設計したギュスターブ・エッフェルの子孫協会も「承認していない」と声明を発表。「135年前の建設以来、パリ、ひいては世界におけるフランスそのものの象徴となっているエッフェル塔に、外部組織の象徴が加えられるのは適切ではない」と理由を説明した。

 それでもイダルゴ市長は主張を曲げなかった。現地9月6日に行なわれた記者会見で、「2028年まで、つまりロサンゼルス五輪まで、エッフェル塔のリングを残すのが私の提案だ。場合によっては28年以降も」と、あらためてエッフェル塔の五輪マークを永続的に設置する意向を表明した。

 このイダルゴ市長の発言に、エッフェル子孫協会が猛反発。「パリ五輪期間中、リングが塔に取り付けられたことを非常にうれしく思う」としながら、「ギュスターブ・エッフェルの相続人として、子孫協会としては、祖先の業績への敬意を損なういかなる改変にも反対せざるをえない」と声明を発表し、あわせて法律事務所に相談したことも明かしている。

 訴訟も視野に入れている子孫協会は、「五輪マークは塔の視覚的、象徴的な側面を大きく変えてしまう」と捉えており、「明確な撤去日が示されないまま、五輪マークを付け続けることには反対」として、24年末をもって五輪マークを塔から撤去する案を示した。

 五輪後に突如として巻き起こった騒動は、はたしてどのような決着となるのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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