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バレーボール

イタリアリーグが開幕! 石川祐希の新天地ペルージャは3-0完勝で白星発進。「ユウキは大勢の熱狂的なファンを虜にしている」

佳子S.バディアーリ

2024.10.02

石川の活躍もあり、ペルージャは初戦をストレート勝ち。(C)Lega Pallavolo Serie A

石川の活躍もあり、ペルージャは初戦をストレート勝ち。(C)Lega Pallavolo Serie A

 現地時間9月29日、バレーボールのイタリアリーグ/スーペルレーガで2024-25シーズンが開幕を迎えた。男子日本代表の石川祐希が所属するシル スーザ ヴィム・ペルージャは、ラーナ・ヴェローナとホームで対戦。セットカウント3-0(29-27、25-22、25-21)の完勝で白星発進を決めた。

 ペルージャの先発は、1週間前に3連覇を達成したスーペルコッパ決勝でMVPを受賞した石川を筆頭にメンバーを変えず。司令塔がイタリア代表の主将シモーネ・ジャンネッリ、ミドルブロッカー(MB)は同代表ロベルト・ルッソと石川と同じくミラノから加入したアルゼンチン代表アグスティン・ロセル、オポジットはチュニジア代表ワシム・ベンタラ、アウトサイドヒッターにパリ五輪ファイナリストのポーランド代表カミル・セメニウク、リベロにはイタリア代表の守護神マッシモ・コラチを起用した。

 ヴェローナは、昨季のレギュラーシーズン後半にペルージャがホームでフルセットの末に敗れた相手だ。攻撃を担うスロベニア代表ロック・モジッチとマリ代表ノーモリ・ケイタの2選手、セッターのルーカ・スピリト(イタリア)が残留しているが、コンディション調整中でベンチスタート。OHはチェコ代表に昨年復帰したドノヴァン・ジャヴォロノクとイタリア代表入りを狙う米国出身のフランチェスコ・サーニ、昨季に下部リーグで出場機会を増やしてチームに帰還したデンマーク代表OPマッド キーズ・ヤンセン、MBにロレンツォ・コルテジアと石川とともにミラノの2季連続4強入りに貢献したマルコ・ヴィテッリのイタリアコンビ、セッターは新加入のコスタンティン・アバエフ(ロシア)をコートへ送り出した。

 第1セット、ペルージャは石川のブロック1本を含む3得点などで序盤に最大6点までリードを広げ、終盤まで優勢を維持する。ところが20点を越えたあたりから攻撃にミスが頻発。石川も被ブロックに続き、ブロック上から叩いた2打が続けざまにラインを割ってしまう。これで逆転を許すも、次のプレーを再び託された石川は、信頼に応えるレフト弾で相手の逃げ切りを阻止し、さらに、鮮やかなバックアタックでリードを奪取。さらに、好守でロセルのブロックを引き出し、握ったセットポイントで、ヴェローナがタッチネットを犯して試合先行に成功した。

 第2セットは前半の接戦をジャンネッリのエースなど3連続ブレークで抜け出す。石川は1セット目に続き再び好守でリードを3点へ広げると、ヴェローナはたまらずタイムアウト。2度目のセットポイントでは、渾身のディグでラリーへ持ち込みセット連取への伏線となった。

 ペルージャは2セット目途中で投入したキューバ代表OPハイメ・エレーラを第3セット開始から起用する。そのエレーラとセメニュクのエースなどでリードを奪い、石川が繊細かつハイテクニックなプッシュで相手ブロックを翻弄して追加点。中盤には、バックアタック2打を叩き込んで巻き返しを狙う相手を押し返す。粘り続けたヴェローナをブロック3本で突き放したペルージャがストレート勝ちを収めた。

 石川は10得点(アタック8、エース1、ブロック1)。攻撃では被ブロックや誤打があったものの、スーペルコッパ優勝への分岐点となったその守備で、味方のアタックやブロックの基点となり勝利に貢献した。
 
 試合後、イタリア公営放送の中継で解説を務めた元イタリア代表主将のレジェンド、アンドレア・ルッケッタ氏は、新天地でスタートラインに立った石川について次のように語った。

「ユウキは、スーペルコッパで最高のパフォーマンスを発揮してこの開幕戦を迎えた。今日は、攻撃のミスがあったり少し苦戦してしまったが、僕が思うに本拠地でのデビュー戦だったことや、シルマニアチ(サポーターグループの名称)の期待がプレッシャーを与えたのかもしれない。ユウキには、“冷静を保って自分ができることに集中すればいい”と伝えたい。彼はすでに任された重要な場面で無敵を証明済みなのだから。これまでミラノや日本代表で成し遂げてきたように、ここペルージャでもスーペルコッパのみに留まらず、チームの座標軸となるべきだと思っている。それに、ユウキは大勢の熱狂的なファンを虜にしている。なぜなら、ポジティブな意味の謙虚さと慎ましさを備えた常に笑顔を絶やさない青年であり、選手として、いつでもチームのために役目を果たす準備ができているからだ。ペルージャ入団は彼の今後にとって素晴らしい機会になると思う。心から成功を願っているよ」

 石川をイタリア初年から9シーズン、近くで見続けてきた識者の評価が掛け値なしであることは、淀みなくこぼれたその言葉の端々からひしひしと伝わってきた。

 ペルージャは次戦の前半第2節(日本時間10月7日午前0時開始予定)で、ソネパル・パドヴァとのアウェー戦に臨む。

取材・文●佳子S・バディアーリ

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