バレーボール男子日本代表の石川祐希が所属する世界王者ペルージャとSVリーグのサントリーサンバーズ大阪が、日本国内で親善試合を企画。実現へ向けて準備が進められている。
【動画】日本人対決が注目されたペルージャvsチステルナ戦のハイライト
現地10月20日、ペルージャはイタリアリーグ・スーペルレーガの第4節でチステルナと対戦。会場となった本拠地パラバルトンには、サントリーサンバーズ大阪(以下サントリー)のゼネラルマネージャー(GM)栗原圭介氏ら4名が試合を観戦する姿があった。
世界トップリーグを目指し、新たなスタートを切った日本国内リーグの中で、『大阪から世界へ』のスローガンを掲げるサントリー。昨年はアジア選手権を制覇し、ペルージャが優勝を果たした世界クラブ選手権でも3位となるなど、目標へ着々と前進している。
昨季に出場したすべての大会を制して4冠を達成したペルージャを訪問。筆者がその意図を尋ねるため、会場で栗原GMにインタビューをお願いすると快く応じてくれた。
「ペルージャは世界一のクラブなので、勉強しに来ました。この試合のようなホームゲーム開催を含め、色々とお話しする機会を頂けました。クラブづくりというか、どのようなことをされているのかなどを勉強しに来ました」
ペルージャ県の人口はイタリア全国50県のなかで25番目の約63万8000人、西日本の最大都市で約877万人の大阪府とは規模の違いは歴然だ。しかし、地方自治体レベルでは世界の頂点に立ったクラブが拠点とするペルージャ市は約16万2000人、サントリーの本拠地である箕面市の約13万6000人と近い (人口は2024年現在)。
文化や国民性の違いはあるものの、コート上でのハイレベルな戦いはもちろん、徹底した地域密着型の経営方針、SNS等を活用した発信力をはじめとする運営面や突出した熱量でチームをサポートする地元ファンの存在などを体感され、収穫は大きかったはず。「ペルージャは世界一のクラブなので。ここだけで明日、日本へ帰ります」と他クラブへの視察はなく、翌日に帰国の途に就かれた。
そして、イタリア国内メディアを騒がせることになったのが、両クラブが日本で激突するビックマッチ構想だ。栗原GMから言及はなかったが、試合後の会場でペルージャのジーノ・シルチ会長は時期や開催地候補についてこう発言している。
「今日は、大阪に拠点を置く日本の強豪クラブ、サントリーのGMがイタリアの強豪(ペルージャ)の試合を観戦しに来てくれた。とても満足してくれている。このあと、夕食にご招待し、(今年アリーナに新設された)ホスピタリティ・ラウンジスでクラブのスポンサーであるアルマンド(パスタ製造販売企業)のパスタをふるまう予定だ。日本とアジアを代表するクラブと、仲の良い友人同士のような関係を築けているよ。この友好関係により、来年2025年に行なわれる世界選手権後の9月あたりに、大阪か、五輪会場だった1万3000席の東京のアリーナ(有明アリーナ、最大収容1万5000人)で素晴らしい対抗試合を開催する計画が持ち上がっている。そうなれば、我々ペルージャは日本においても注目を浴びる存在となるだろう。この計画が順調に進行することを願っているよ。今後の進捗を見守りたい」
熱のこもった口調で実現へ向け大きな意欲を示した会長。ペルージャ側は、SNSの公式アカウント上でも企画の存在を認め、「現在、実現へ向けて力を注いでいるところ」と明かしている。
来年の世界選手権は9月12日~28日にフィリピン・マニラで開催。対戦実施に至れば、日程は10月になる可能性が大きいと見られる。今季のサントリーには、日本代表の高橋藍と小野寺太志、2018年から主力を務めるロシア代表のベテラン ドミトリー・ムセルスキー、ポーランド代表のアレクサンデル・シリフカが在籍。加えて、渡伊しなければ見ることのできないペルージャのユニホーム姿でプレーする石川を間近で目にする機会とあって、ドリームマッチ開催に大きな期待が寄せられている。
取材・文●佳子S.バディアーリ
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現地10月20日、ペルージャはイタリアリーグ・スーペルレーガの第4節でチステルナと対戦。会場となった本拠地パラバルトンには、サントリーサンバーズ大阪(以下サントリー)のゼネラルマネージャー(GM)栗原圭介氏ら4名が試合を観戦する姿があった。
世界トップリーグを目指し、新たなスタートを切った日本国内リーグの中で、『大阪から世界へ』のスローガンを掲げるサントリー。昨年はアジア選手権を制覇し、ペルージャが優勝を果たした世界クラブ選手権でも3位となるなど、目標へ着々と前進している。
昨季に出場したすべての大会を制して4冠を達成したペルージャを訪問。筆者がその意図を尋ねるため、会場で栗原GMにインタビューをお願いすると快く応じてくれた。
「ペルージャは世界一のクラブなので、勉強しに来ました。この試合のようなホームゲーム開催を含め、色々とお話しする機会を頂けました。クラブづくりというか、どのようなことをされているのかなどを勉強しに来ました」
ペルージャ県の人口はイタリア全国50県のなかで25番目の約63万8000人、西日本の最大都市で約877万人の大阪府とは規模の違いは歴然だ。しかし、地方自治体レベルでは世界の頂点に立ったクラブが拠点とするペルージャ市は約16万2000人、サントリーの本拠地である箕面市の約13万6000人と近い (人口は2024年現在)。
文化や国民性の違いはあるものの、コート上でのハイレベルな戦いはもちろん、徹底した地域密着型の経営方針、SNS等を活用した発信力をはじめとする運営面や突出した熱量でチームをサポートする地元ファンの存在などを体感され、収穫は大きかったはず。「ペルージャは世界一のクラブなので。ここだけで明日、日本へ帰ります」と他クラブへの視察はなく、翌日に帰国の途に就かれた。
そして、イタリア国内メディアを騒がせることになったのが、両クラブが日本で激突するビックマッチ構想だ。栗原GMから言及はなかったが、試合後の会場でペルージャのジーノ・シルチ会長は時期や開催地候補についてこう発言している。
「今日は、大阪に拠点を置く日本の強豪クラブ、サントリーのGMがイタリアの強豪(ペルージャ)の試合を観戦しに来てくれた。とても満足してくれている。このあと、夕食にご招待し、(今年アリーナに新設された)ホスピタリティ・ラウンジスでクラブのスポンサーであるアルマンド(パスタ製造販売企業)のパスタをふるまう予定だ。日本とアジアを代表するクラブと、仲の良い友人同士のような関係を築けているよ。この友好関係により、来年2025年に行なわれる世界選手権後の9月あたりに、大阪か、五輪会場だった1万3000席の東京のアリーナ(有明アリーナ、最大収容1万5000人)で素晴らしい対抗試合を開催する計画が持ち上がっている。そうなれば、我々ペルージャは日本においても注目を浴びる存在となるだろう。この計画が順調に進行することを願っているよ。今後の進捗を見守りたい」
熱のこもった口調で実現へ向け大きな意欲を示した会長。ペルージャ側は、SNSの公式アカウント上でも企画の存在を認め、「現在、実現へ向けて力を注いでいるところ」と明かしている。
来年の世界選手権は9月12日~28日にフィリピン・マニラで開催。対戦実施に至れば、日程は10月になる可能性が大きいと見られる。今季のサントリーには、日本代表の高橋藍と小野寺太志、2018年から主力を務めるロシア代表のベテラン ドミトリー・ムセルスキー、ポーランド代表のアレクサンデル・シリフカが在籍。加えて、渡伊しなければ見ることのできないペルージャのユニホーム姿でプレーする石川を間近で目にする機会とあって、ドリームマッチ開催に大きな期待が寄せられている。
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