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フィギュア

日本女子フィギュア、カナダで16年ぶりの表彰台独占に地元スケート連盟が異例の賛辞! 圧巻強さにISUも感服「サプライズと素晴らしいパフォーマンス」

THE DIGEST編集部

2024.10.28

左から松生、坂本、吉田がスケートカナダで表彰台を独占した。(C)Getty Images

左から松生、坂本、吉田がスケートカナダで表彰台を独占した。(C)Getty Images

 16年ぶりの快挙に驚きの声が上がっている。

 現地10月26日、フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第2戦カナダ大会は女子フリーが行なわれ、世界選手権3連覇中の坂本花織が合計201.21点で優勝を飾った。さらに2位はフリー1位の会心演技で巻き返した松生理乃、ショート4位の吉田陽菜が合計191.37点の3位に入り、なんと日本勢が表彰台を独占する大活躍だった。

 まさにフィギュア大国の底力を異国で発揮した。ショート首位で折り返した坂本はコンビネーションを含む2つのジャンプで転倒するミスがありながらも、他のジャンプはしっかりと加点をつけ、スピンは最高評価のレベル4を獲得するなど要所でうまくまとめた。演技後は悔しさをにじませたが、今季GP初戦で表彰台トップが確定するとスタンドの歓声にカオリ・スマイルで応えた。

 世界女王が貫録の強さを見せた一方で、大躍進を見せたのは20歳の松生だった。今大会ショート10位と大きく出遅れたが、ミスの少ない演技でまとめ、技の出来栄え点も大きなマイナスはなく、ほぼノーミスの演技を披露。演技後は左拳を力強く振り下ろし、喜びを爆発させた。しかもフリーの得点で坂本を上回り、上位陣を一気にまくり表彰台をゲットした。

 また、昨季シニア1年目でGPファイナルに初出場して銅メダルを獲得した吉田も健闘した。冒頭のトリプルアクセルは回転不足がつき、後半のジャンプもミスが目立ったが綺麗なスケーティング技術でカバーし、表彰台を確保すると安堵した表情を見せた。
 
 GPシリーズで日本勢が表彰台を独占したのはコロナ禍だった2020年のNHK杯を除けば、08年のNHK杯(浅田真央、鈴木明子、中野友加里)以来。実に16年ぶりに日の丸がすべて掲げられた。
 
 日本人スケーターの強さに地元メディアからも異例の賛辞が送られている。カナダのスケート連盟公式SNSは笑顔で表彰台に収まる3人の写真を添えて、「日本がカナダ・ハリファクスで女子シングルの表彰台を独占!」と、それぞれ獲得したメダルの絵文字を付けて称えた。同じくオリンピックやパラリンピックを放送する米国の公共放送局『NBC』も、日本勢が異国で表彰台を独占した珍しいシーンに注目した。

 さらに国際スケート連盟(ISU)の大会レビュー記事でも、日本女子の活躍が脚光を浴びている。記事を見ると、「カオリ・サカモトをはじめ、日本勢がGPスケートカナダを圧倒! 世界チャンピオンは同大会で2年連続のタイトルを獲得し、チーム日本を華々しく表彰台に導いた」と書き出し、「マツイケは10位から銀メダルに躍進し、周囲を驚かせた。一方、ヨシダはショート4位から順位を上げて銅メダルを獲得した。サプライズと素晴らしいパフォーマンスに満ちたイベントだった」と振り返っている。

 先週のGPシリーズ開幕戦アメリカ大会でも、ショート4位だった樋口新葉が後半のフリーで逆転して初優勝を果たした。また3位だった22歳の渡辺倫果も2位に順位を上げ、日本選手がワンツーフィニッシュを飾った。2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪を控える重要なプレシーズンとなる今季、日本女子の勢いが止まらない。

構成●THE DIGEST編集部

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