11月３日、学生三大駅伝のひとつ「第56回全日本大学駅伝」が愛知から三重までの８区間、106.8キロで行なわれ、国学院大が初優勝。チーム史上初となる二冠を成し遂げ、三冠達成に大きく前進した。

　出雲駅伝に続くタイトル奪取を狙う国学院大、史上初の大会５連覇を目指す駒澤大、今年１月の箱根駅伝王者である青山学院大の３強が集ったレースは各大学のプライドが激しく火花を散らす白熱した戦いとなった。​

　​​​​​​４区が終了した時点でトップは青学大が快走。黒田朝日（３年）の好走で３位の国学院大と１分27秒差をつけていた。二冠に向けて厳しい状況だったが、５区で国学院大の２年生・野中恒亨が区間賞で２位に浮上すると、さらに６区の山本歩夢（４年）が区間新記録を叩き出す走りで、青学大に４秒差と肉薄した。

　エース区間である７区では２月の大阪マラソンで初優勝を果たしたチームの大黒柱である平林清澄（４年）が、青学大のエース太田蒼生（４年）と激しいデットヒートを繰り広げ、再び４秒差で最終８区の上原琉翔（３年）に襷をつなぐ。エースの想いを託されたアンカーの上原琉翔（３年）は500メートルで青学大の塩出翔太（３年）に追いつき、最後は競り勝つと、チームメイトが待つ伊勢神宮内宮宇治橋前のゴールへ一直線。笑顔でフィニッシュテープを切った。
  　伊勢路でもチーム全体の強さを見せつけた国学院大に、かつての箱根ランナーも脱帽している。青学大３年時に箱根駅伝の往路５区で区間新記録を樹立し、「３代目・山の神」として駅伝ファンに親しまれる神野大地は自身のXを更新。まず優勝した国学院大を称え、「強い。本当に強すぎる」と驚きを隠せなかった。特に５、６区の区間賞が大きかったと勝因を指摘している。

　続けて、「正直、今年は青学の３冠だと思ってました」と本音をポツリ。母校の強さを認めつつも、「でも出雲と全日本を制したのは國學院。本当に分からない。大学駅伝アツすぎます」と綴り、予想しない熱い展開に感銘を受けている。だが最後には「青学もこの悔やしさはきっと箱根に繋げてくれると思います」と付け足し、年明け母校の連覇に期待を寄せていた。

構成●THE DIGEST編集部

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