現地時間11月3日、バレーボールのイタリアリーグ/スーペルレーガで2024-25シーズン前半第6節が行われ、男子日本代表の石川祐希が所属するシル スーザ ヴィム・ペルージャが、ルーベ・チヴィタノーバとホームで対戦。セットカウント3-2(21-25、25-27、25-18、25-18、15-12)で2セットダウンを覆して勝利を収め、開幕からの無敗を死守した。
【動画】石川祐希が21得点の大爆発! ペルージャの逆転勝利に貢献
前節で勝点が並んだピアチェンツァを得失セット率で上回り首位に浮上したペルージャは、腰痛から復帰間もないアウトサイドヒッター(OH)石川と腹筋負傷で離脱中のイタリア代表セッター、シモーネ・ジャンネッリがベンチスタート。先発は、司令塔が3試合連続でイタリア出身のフランチェスコ・ゾッペッラーリ、OHにポーランド代表カミル・セメニウクとウクライナ代表オレフ・プロツニスキー、オポジット(OP)がチュニジア代表ワシム・ベンタラ、ミドルブロッカー(MB)アルゼンチン代表アグスティン・ロセルとイタリア代表ロベルト・ルッソにリベロの元イタリア代表マッシモ・コラチで布陣を組んだ。
チヴィタノーバは前節を終えて3勝2敗で5位。昨季まで中心メンバーだったセッターのアルゼンチン代表ルチアーノ・デチェッコ、イタリア代表MBシモーネ・アンザーニと元同国代表OP/OHイバン・ザイツェフらベテラン勢を放出。残留した五輪連覇のフランス代表MBバルテレミ・シネニエズ、得点力の高いトルコ代表OPアディス・ラグムジアとイタリア代表OHマッティア・ボットロに、トレンティーノから移籍したMBマルコ・ポドラシュチャニン、元イタリア代表で現ターラント監督を父に持つ20歳のセッター、マッティア・ボニファンテと日本代表OH高橋藍(サントリー・サンバーズ)とモンツァの昨季リーグ準優勝に貢献したカナダ代表OHエリック・レプキーの新加入3選手が主力を務める。若き主砲のブルガリア代表OHアレクサンダル・ニコロフは、昨季プレーオフ(5位決定戦予選ラウンド)中に悪化した椎間板ヘルニアを5月中旬に手術。短い時間で出場しながら調整を重ねているところだ。
第1セット、ペルージャは被ブロックが続いたOHセメニウクを中盤にベンチへ下げる。替わってコートインした石川が、すぐさまブロックアウトで得点を奪った直後にジャンネッリを投入。だが、ビハインド6点が響き、セットを先取されてしまう。
第3節でモデナにストレート勝利した後、直近2試合は劣勢でスタートする戦いが続いていたペルージャは、前節のトレンティーノ戦で逆転勝利に尽力した石川にこの先を託すこととなる。
終始リードで進めた第2セットだったが、相手が連続ブレークで追い上げに転じた終盤に石川が後衛からの攻撃でアタックラインを越えてしまいデュース。接戦へ持ち込こまれたペルージャは、タッチネットでセットポイントを献上した後、相手にエースを決められて2セットダウンへ追い込まれた。
窮地に陥ったチームを覚醒させたのは石川だった。第3セットが始まるや、すぐさま利き手と逆の左手で技ありのプッシュ。精度を上げた味方のサーブに応えるダイレクト弾2発やバックアタックなどで前半に5得点を挙げると、後半には2セット目にアタック決定率80%をマークしたOPラグムジアの強打を1枚ブロックでシャットアウトする。さらに、超ロングラリーをブロックアウトで仕留めるなど、9得点の大暴れでセット奪取に大貢献した。
第4セットで試合を終えたいチヴィタノーバは開始からニコロフを起用するも、勢いに乗ったペルージャがプロツニスキーとベンタラのエース2本を含む5度のブレークで序盤から大きくリード。以降も安定感が増したサーブで攻め続け、試合を振り出しへ戻した。
最終セットも途中出場のキューバ代表OHハイメ・エレーラとベンタラのエースが飛び出すなど、ペルージャが冴えたサーブで前半の混戦を抜け出す。相手も終盤まで粘るが、好守で立ちはだかった石川が、攻撃でもコート奥へ鮮やかなバックアタックを叩き込み獅子奮迅。アウト判定に背番号14が確信の表情とジェスチャーでインを主張すると、ベンチはすぐさまビデオチェックを要求する。会場の大画面にボールがエンドライン手前を捕らえたシーンが映し出されてマッチポイント。直後にラリーを制したペルージャが、逆境を跳ね返して勝点2と無敗を死守した。
石川は第1セット途中からの出場ながらチーム最多21得点(アタック20、ブロック1)を記録して、MVP(マン・オブ・ザ・マッチ)を受賞した。ペルージャは今季これまでにフルセットが3試合(スーペルコッパ決勝、第2節パドヴァ、今節チヴィタノーバ)。石川は3戦すべてで逆転勝利の立役者としてMVPを獲得している。
イタリア公営放送の実況担当マウリッツィオ・コラントーニ氏は、観客が去った会場で歓談した際に、「ペルージャへ来たイシカワの選択は正しかった。活躍を目の当たりにしてサポーターもそう思っているはずさ。スーパー・ユウキ!!」と称賛しきりだった。
全勝で並ぶピアチェンツァが勝点3を獲得したため2位へ後退したペルージャは、次戦の前半第7節(日本時間11月10日午前3時開始予定)で、8位ジョイエッラプリズマ・ターラントとのアウェー戦に臨む。
取材・文●佳子S.バディアーリ
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チヴィタノーバは前節を終えて3勝2敗で5位。昨季まで中心メンバーだったセッターのアルゼンチン代表ルチアーノ・デチェッコ、イタリア代表MBシモーネ・アンザーニと元同国代表OP/OHイバン・ザイツェフらベテラン勢を放出。残留した五輪連覇のフランス代表MBバルテレミ・シネニエズ、得点力の高いトルコ代表OPアディス・ラグムジアとイタリア代表OHマッティア・ボットロに、トレンティーノから移籍したMBマルコ・ポドラシュチャニン、元イタリア代表で現ターラント監督を父に持つ20歳のセッター、マッティア・ボニファンテと日本代表OH高橋藍(サントリー・サンバーズ)とモンツァの昨季リーグ準優勝に貢献したカナダ代表OHエリック・レプキーの新加入3選手が主力を務める。若き主砲のブルガリア代表OHアレクサンダル・ニコロフは、昨季プレーオフ(5位決定戦予選ラウンド)中に悪化した椎間板ヘルニアを5月中旬に手術。短い時間で出場しながら調整を重ねているところだ。
第1セット、ペルージャは被ブロックが続いたOHセメニウクを中盤にベンチへ下げる。替わってコートインした石川が、すぐさまブロックアウトで得点を奪った直後にジャンネッリを投入。だが、ビハインド6点が響き、セットを先取されてしまう。
第3節でモデナにストレート勝利した後、直近2試合は劣勢でスタートする戦いが続いていたペルージャは、前節のトレンティーノ戦で逆転勝利に尽力した石川にこの先を託すこととなる。
終始リードで進めた第2セットだったが、相手が連続ブレークで追い上げに転じた終盤に石川が後衛からの攻撃でアタックラインを越えてしまいデュース。接戦へ持ち込こまれたペルージャは、タッチネットでセットポイントを献上した後、相手にエースを決められて2セットダウンへ追い込まれた。
窮地に陥ったチームを覚醒させたのは石川だった。第3セットが始まるや、すぐさま利き手と逆の左手で技ありのプッシュ。精度を上げた味方のサーブに応えるダイレクト弾2発やバックアタックなどで前半に5得点を挙げると、後半には2セット目にアタック決定率80%をマークしたOPラグムジアの強打を1枚ブロックでシャットアウトする。さらに、超ロングラリーをブロックアウトで仕留めるなど、9得点の大暴れでセット奪取に大貢献した。
第4セットで試合を終えたいチヴィタノーバは開始からニコロフを起用するも、勢いに乗ったペルージャがプロツニスキーとベンタラのエース2本を含む5度のブレークで序盤から大きくリード。以降も安定感が増したサーブで攻め続け、試合を振り出しへ戻した。
最終セットも途中出場のキューバ代表OHハイメ・エレーラとベンタラのエースが飛び出すなど、ペルージャが冴えたサーブで前半の混戦を抜け出す。相手も終盤まで粘るが、好守で立ちはだかった石川が、攻撃でもコート奥へ鮮やかなバックアタックを叩き込み獅子奮迅。アウト判定に背番号14が確信の表情とジェスチャーでインを主張すると、ベンチはすぐさまビデオチェックを要求する。会場の大画面にボールがエンドライン手前を捕らえたシーンが映し出されてマッチポイント。直後にラリーを制したペルージャが、逆境を跳ね返して勝点2と無敗を死守した。
石川は第1セット途中からの出場ながらチーム最多21得点(アタック20、ブロック1)を記録して、MVP(マン・オブ・ザ・マッチ)を受賞した。ペルージャは今季これまでにフルセットが3試合(スーペルコッパ決勝、第2節パドヴァ、今節チヴィタノーバ)。石川は3戦すべてで逆転勝利の立役者としてMVPを獲得している。
イタリア公営放送の実況担当マウリッツィオ・コラントーニ氏は、観客が去った会場で歓談した際に、「ペルージャへ来たイシカワの選択は正しかった。活躍を目の当たりにしてサポーターもそう思っているはずさ。スーパー・ユウキ!!」と称賛しきりだった。
全勝で並ぶピアチェンツァが勝点3を獲得したため2位へ後退したペルージャは、次戦の前半第7節(日本時間11月10日午前3時開始予定)で、8位ジョイエッラプリズマ・ターラントとのアウェー戦に臨む。
取材・文●佳子S.バディアーリ
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