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「たくさんの愛で支えてくれた」フィギュア界の“元天才少女”が激白。復帰後は葛藤も、手拍子での応援&揺れる星条旗に感激「パワーをくれた」【NHK杯】

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2024.11.10

競技復帰を果たした米国のアリサ・リウが4位に入った。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

競技復帰を果たした米国のアリサ・リウが4位に入った。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

 かつて、フィギュア界を沸かせた”天才少女”が日本のファンに感謝を寄せた。

 11月9日、フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦NHK杯が行なわれ、女子フリーは坂本花織が今季最高得点となる231.88点を挙げ3年ぶり3度目の優勝を飾り2季連続でファイナル(12月・フランス)進出を確定した。また千葉百音が2位、青木祐奈が3位に入り日本勢が表彰台を独占した快挙の裏で、今シーズン直前に競技復帰を果たしたアリサ・リウ(米国)が大健闘の4位に食い込んだ。
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 2019年の全米選手権で史上最年少13歳で優勝を果たし、22年北京五輪では7位に入るなど輝かしい実績を残しながら、16歳で電撃引退をしたアリサ・リウ。しかしシーズン開幕直前に、競技復帰を突然発表。GP初戦のカナダ大会は6位と、まずまずの出来でNHK杯に臨んだ。

 ショート4位で折り返したフリーはきらびやかな衣装で登場し、すべてのジャンプを着氷。4回転やトリプルアクセルを駆使して旋風を巻き起こしたジュニア時代の大技は組み込んでいないものの、ミスの少ない着実な構成と大人びた表現力で観衆を引き込むと、会場は手拍子で19歳に成長したスケーターを後押し。リズム良く銀盤を舞い、演技後はすべての力を出し尽くしたかのように氷上に顔をうずめた。

 GP2戦目のフリーは125.72点をマークし、シーズンベストを更新。合計190.75点まで伸ばし、この時点で暫定トップに浮上した。直後に滑走した青木祐奈に抜かれたが、表彰台まであと一歩に迫る演技だった。

 ミックスゾーンでは直前に滑った同じ米国代表のブレイディ・テネルと労いの抱擁を交わした。今回、特別にインタビューに応じてくれた彼女は演技中に温かい手拍子を送った日本のファンの応援に感激したようで、「本当に素晴らしかったわ!」と興奮気味に次のように語った。

「日本の皆さんが演技中にすごく拍手してくれたのは見えていました。皆さんのサポートが私にパワーを与えてくれました。今回のプログラムはすごくアップテンポで楽しい曲なので、本当にたくさん支えてもらったと感じています」
 
 競技に復帰してからも「本当にトップレベルのスケーターと戦えるのか、試合に出場できるのか大きな不安を抱えていた」と吐露。しかしGP2戦を通じ、たくさんの選手と戦うことが高いモチベーションにつながったとし、「日本での試合をすごく楽しみにしていたの」と茶目っ気に話した。「先シーズンはコロナの規制もまだあった中だったから...今は規制もなくなったので、すごく楽しいシーズンになっているわ」と続けた。

 日本の温かい声援が大きな活力になったと振り返った彼女の表情は非常に明るく、今はトレーニングを楽しく取り組め、次のシーズンもスケートを続けていく考えを明かした。そして、たくさんの星条旗を揺らしながら応援し続けてくれた日本のファンへメッセージを送った。

「このNHK杯に来てくださった観客の皆さんには本当に感謝しています。演技中も愛を感じましたし、本当に支えてくれているところが私が競技を続けるモチベーションになっています。さらにもっともっと、いい演技をしていこうと思います。本当にたくさんの愛を感じたので、また私のサポートを続けてほしいです。アリガトウゴザイマス」

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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