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競馬

チェルヴィニア、ドウデュースが強豪海外馬を迎え撃つ! ルメール騎手が「大きなポイント」と指摘した『4差』【ジャパンカップ/後編】

三好達彦

2024.11.24

チェルヴィニアに騎乗するルメール騎手。写真:産経新聞社

チェルヴィニアに騎乗するルメール騎手。写真:産経新聞社

 今年で44回目を迎えるジャパンカップ(GⅠ、東京・芝2400m)。前編では海外馬のプロフィールをご紹介したが、後編ではそれらを迎え撃つ日本馬から有力馬をピックアップし、その能力や適性について検討してみたい。

 今年エントリーしてきた日本馬は、11頭中6頭がGⅠホースという充実したメンバーとなった。なかでも、近走の内容や絶対能力でフィルタリングすると、首位争いはドウデュース(牡5歳/栗東・友道康夫厩舎)とチェルヴィニア(牝3歳/美浦・木村哲也厩舎)の2頭に絞られると見る。

 ドウデュースは昨年末の有馬記念(GⅠ)を制したのち、今春はドバイターフ(G1)が5着、宝塚記念(GⅠ)が6着と、らしくない競馬が続いていた。そのため秋の天皇賞(GⅠ)ではリバティアイランド(牝4歳/栗東・中内田充正厩舎)に次ぐ2番人気に甘んじたが、ここで劇的な復活を見せる。最終コーナーを後ろから2番目で回って直線へ向くと、大方の予想を上回る爆発力を発揮。なんと上がり3ハロンを32秒5という驚異的な切れ味を見せて10頭以上をゴボウ抜きにし、2着のタスティエーラ(牡4歳/美浦・堀宣行厩舎)に1馬身1/4差を付ける圧勝を遂げたのである。こんなに大胆な芸当ができるのは、現役ではこの馬だけではなかろうか。
 
 一方のチェルヴィニアは、桜花賞(GⅠ)こそ13着という大敗を喫したが、続くオークス(GⅠ)では中団の後ろ目から力強いフットワークで差し切って優勝。走破タイムが翌週の日本ダービー(GⅠ)よりも0秒3速かったことが話題となったように、当時すでに牡馬と互角以上の勝負ができるだけの能力を持っていたと判断しても、あながち間違いとは言えまい。

 そして、オークスからのぶっつけで臨んだ秋華賞(GⅠ)も中団から難なく抜け出し、2着のボンドガールに1馬身3/4差を付けて快勝。陣営は次走に迷うことなく、エリザベス女王杯(GⅠ)よりもジャパンカップを選んだ。

 日本ダービーを制したドウデュース。オークスを勝ったチェルヴィニア。東京の2400mという舞台でクラシックを制した2頭のどちらを上位に取るのかだが、あらためて注目したいのは斤量の差。ドウデュースの58キロに対して、チェルヴィニアは54キロと4キロの差があるのは大きい。

 実際、チェルヴィニアの手綱を取るクリストフ・ルメール騎手は共同会見で「初めての古馬とのレースになるが、まったく心配していない。アーモンドアイも3歳のとき古馬に勝っている。今回はジャパンカップで(チェルヴィニアの斤量は)54キロだから、これは大きなポイントになる」と、日本競馬史上最高の名牝を引き合いに出しながら斤量の有利さに触れ、自信の大きさを表現した。3歳秋の上積みの大きさも含め、ここはチェルヴィニアを上位に取って本命に推したい。

 また、これはあくまで筆者の個人的な見方だが、ドウデュースの適距離は徐々に短い方向にシフトしているのではないか、という印象を受けている。それは体長がやや詰まって丸みを帯びたマイラーっぽい体形がよりはっきりと現れつつあることが原因かもしれず、天皇賞(秋)での驚異的な切れ味も、中長距離馬のそれではないと感じたからでもある。
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