バレーボールのイタリアリーグ/スーペルレーガで海外初挑戦中の日本代表アウトサイドヒッター(OH)大塚達宣。現地11月24日に行なわれた同代表OH石川祐希が所属するシル スーサ ヴィム・ペルージャとの対戦後、新天地アリアンツ・ミラノでの「今」をインタビュー取材した。
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負傷によりリベロ登録でベンチ入りするなど、万全ではないコンディションが続いた大塚だが、11月中旬に開催されたCEVチャンピオンズリーグ4回戦グループステージ第1戦で移籍後初の先発フル出場。欧州デビュー戦ともなったその試合では、16得点を挙げてレセプション成功率(A+Bパス)60%をマークするなど、ミラノの白星発進に貢献し、存在感をアピールした。
ところが、翌週の第2戦はベンチでチームの2連勝を見守り、以降のリーグ戦も短時間の出場。この日のペルージャ戦でも後衛でスポット起用されるに留まった。
公式戦初先発を欧州最高位の大会で叶えて、「さあ、これから」と士気を高めていたはずの大塚に、まず、現在のコンディションを尋ねた。
「腹筋を怪我してしまい1か月半プレーできなくて…やっと回復して、この前はチャンピオンズリーグの試合に出させてもらったんですけど、やっぱり出力が一気に上がったので、また少し痛みが出てしまって。トレーナーに伝えてケアしてもらい、再発していないかを確認するためにきちんと検査を受けました。それで、やっと大丈夫だと分かったんで、ホッとしているところです」
「また痛みがぶり返したら、プレーできなくなるんじゃないかという不安がすごく強くて…。ちょっと怖かった部分もあったので、安心してプレーするために、まずは検査結果を待つ必要がありました。結果は良好で、ああ、これで心配なくプレーできると。やっと今日から少し練習を開始したところだったんです」と吐露。この日の試合がポイント起用で守備に限定されたのは、大事をとってコンディション調整を進めているためだったと明かした。
石川との対戦を“日本人対決”と取り上げられることについては、「いつものアリアンツ・クラウド(ミラノ本拠地)と違う大きい会場に、これだけのお客さんが来てくれて嬉しいです。今日はアリーナに入った瞬間、日本やアジアの方がすごく大勢いらしていることに気づきました。現地の方だけでなく遠くからもたくさんの人が来てくださり、(日本人選手の対戦を)楽しみにしてくれているのを実感して、本当にありがたいなと思っています」と答えていた。
チーム合流からまだ3週間程だったプレシーズンマッチ以来の取材。海外チームに所属し、言葉の壁やこれまで経験のなかった自炊など生活面に至るまで、初めてづくしの環境に早く順応しようともがいていた入団当初から2か月と少しが経過した。当初は苦労を口にしていたが、「今は?」と問うと、「ちょうどあの時は、気持ち的に最低でしたね(笑)。今はもう全然大丈夫です。イタリア語を使える割合がかなり増えてきたと思います。バレーのことだったら、ほぼイタリア語のみで、英語はほとんど使っていません」とのこと。一番の課題であったであろうイタリア語は、レッスンを受けずに独学だと聞き驚かされた。
そして、風貌も変化。「11月中に髭を生やすことが、男性特有の病気(前立腺がんなど)について(健康意識を高める啓蒙活動の一環として)のキャンペーンがあるとチームメートから聞いて伸ばしています。気分転換にもなっていますよ」と、髭を蓄えた理由にも言及した。
大ベテランの元ブルガリア代表マテイ・カジースキ、パリ五輪金メダリストのフランス代表ヤシヌ・ルアティ、トップリーグ3シーズン目のダビデ・ガルディーニ(イタリア)と、実績や経験豊富なOH陣を擁するミラノだが、すでに開幕したCLに加え、年末にはコッパイタリア出場が予想され、もうすぐ突入するシーズン後半はプレーオフ出場がかかる戦いが待ち受けている。そこで、必要とされるのが大塚の存在だろう。
「出場機会が増えることが、僕にとっても一番いいことなので。頑張ります!」と大塚。
今節を前倒しで終えたミラノは、今週末に試合がなく、次戦のCL第3戦はホームで中8日。コンディションを上げたい大塚に日程も味方している。コートに立つことへの渇望を昇華させたパフォーマンスを、今後のシーズンで披露してくれるに違いない。
文●佳子S.バディアーリ
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負傷によりリベロ登録でベンチ入りするなど、万全ではないコンディションが続いた大塚だが、11月中旬に開催されたCEVチャンピオンズリーグ4回戦グループステージ第1戦で移籍後初の先発フル出場。欧州デビュー戦ともなったその試合では、16得点を挙げてレセプション成功率(A+Bパス)60%をマークするなど、ミラノの白星発進に貢献し、存在感をアピールした。
ところが、翌週の第2戦はベンチでチームの2連勝を見守り、以降のリーグ戦も短時間の出場。この日のペルージャ戦でも後衛でスポット起用されるに留まった。
公式戦初先発を欧州最高位の大会で叶えて、「さあ、これから」と士気を高めていたはずの大塚に、まず、現在のコンディションを尋ねた。
「腹筋を怪我してしまい1か月半プレーできなくて…やっと回復して、この前はチャンピオンズリーグの試合に出させてもらったんですけど、やっぱり出力が一気に上がったので、また少し痛みが出てしまって。トレーナーに伝えてケアしてもらい、再発していないかを確認するためにきちんと検査を受けました。それで、やっと大丈夫だと分かったんで、ホッとしているところです」
「また痛みがぶり返したら、プレーできなくなるんじゃないかという不安がすごく強くて…。ちょっと怖かった部分もあったので、安心してプレーするために、まずは検査結果を待つ必要がありました。結果は良好で、ああ、これで心配なくプレーできると。やっと今日から少し練習を開始したところだったんです」と吐露。この日の試合がポイント起用で守備に限定されたのは、大事をとってコンディション調整を進めているためだったと明かした。
石川との対戦を“日本人対決”と取り上げられることについては、「いつものアリアンツ・クラウド(ミラノ本拠地)と違う大きい会場に、これだけのお客さんが来てくれて嬉しいです。今日はアリーナに入った瞬間、日本やアジアの方がすごく大勢いらしていることに気づきました。現地の方だけでなく遠くからもたくさんの人が来てくださり、(日本人選手の対戦を)楽しみにしてくれているのを実感して、本当にありがたいなと思っています」と答えていた。
チーム合流からまだ3週間程だったプレシーズンマッチ以来の取材。海外チームに所属し、言葉の壁やこれまで経験のなかった自炊など生活面に至るまで、初めてづくしの環境に早く順応しようともがいていた入団当初から2か月と少しが経過した。当初は苦労を口にしていたが、「今は?」と問うと、「ちょうどあの時は、気持ち的に最低でしたね(笑)。今はもう全然大丈夫です。イタリア語を使える割合がかなり増えてきたと思います。バレーのことだったら、ほぼイタリア語のみで、英語はほとんど使っていません」とのこと。一番の課題であったであろうイタリア語は、レッスンを受けずに独学だと聞き驚かされた。
そして、風貌も変化。「11月中に髭を生やすことが、男性特有の病気(前立腺がんなど)について(健康意識を高める啓蒙活動の一環として)のキャンペーンがあるとチームメートから聞いて伸ばしています。気分転換にもなっていますよ」と、髭を蓄えた理由にも言及した。
大ベテランの元ブルガリア代表マテイ・カジースキ、パリ五輪金メダリストのフランス代表ヤシヌ・ルアティ、トップリーグ3シーズン目のダビデ・ガルディーニ(イタリア)と、実績や経験豊富なOH陣を擁するミラノだが、すでに開幕したCLに加え、年末にはコッパイタリア出場が予想され、もうすぐ突入するシーズン後半はプレーオフ出場がかかる戦いが待ち受けている。そこで、必要とされるのが大塚の存在だろう。
「出場機会が増えることが、僕にとっても一番いいことなので。頑張ります!」と大塚。
今節を前倒しで終えたミラノは、今週末に試合がなく、次戦のCL第3戦はホームで中8日。コンディションを上げたい大塚に日程も味方している。コートに立つことへの渇望を昇華させたパフォーマンスを、今後のシーズンで披露してくれるに違いない。
文●佳子S.バディアーリ
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